こんにちは。
ファイブワン縫製の田老です。
今回ご紹介する工程は、「前返し」です。
「見返し据え」の続きになります。
「前返し」とは、【見返し】と【前身頃】を表にひっくり返し、アイロンで形を整える工程です。
では、詳しくご紹介していきます。
まず、【きざみ】の位置から【見返し】の裾までの【前端】をアイロンで整えます。
この時に【ラペル】は正面から見たときに裏の生地が隠れるように、ほぼゼロに【身頃側】に控えます。
【返り止まり】から裾までを1ミリほど【見返し】側に控え、【前端】のラインが綺麗に縫われてることを確認しながらアイロンで整え、【前端】にステッチを入れる際に、ズレないように躾(しつけ)でとめておきます。
そして、もう一仕事。
【ラペル】を折り返したときに外回りになる【見返し】側にゆとりを入れます。
そうすることで自然な状態で美しいカーブで折り返ります。
このときに入れるゆとりは多すぎず少なすぎず、また生地の厚さや素材によって微妙に変えなくてはいけません。
最後に【前身頃】の立体感を出すために、【見返し】側からアイロンをかけます。
これは【ダーツ】やクセとりによって生み出された立体感を内側から持ち上げるようにアイロンをかけることで、より体にフィットさせます。
ここまでが「前返し」の工程になります。
完成はまだまだですが、こうして見ると、なんとなく仕上がりの雰囲気が見れてうれしくなります。
毎回、1着1着、スーツの仕上がりが楽しみです。
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