こんにちは、ブログ2回目登場ファイブワンCAD室パターン担当藤本です。
前回テーマは補正でしたが、今回は特殊体型補正でございます。
少し解説をしておきますと・・・、オーダースーツには、基本体型に近い方がディティールにこだわれることを中心に設計されたパターンオーダー商品と、基本体型のサイズでは対応できない方・満足できない方のために、フルオーダー(ファイブワンパーソナルオーダー)があります。
パターンオーダーは、セレクトショップ系を中心にお客様の支持が高くてご好評を頂いていますが、よりパーソナルに、より細かく作り込みたい方には、フルオーダー(ファイブワンパーソナルオーダー)がオススメです。そして、フルオーダー(ファイブワンパーソナルオーダー)に必要な技術が、『特殊体型補正』です。
特殊体型補正のエキスパート(60年の経験)井関先生にかかれば・・・・・
なんと 先生が型に手を触れると魔法のように、お客様に合わせた型紙が出来上がるという伝説があるほどで御座います!!!
ファイブワン・ファクトリーの品質は、このように生まれます。
ファイブワンは、オーダースーツのファクトリーブランドとして12年のノウハウがあります(ファクトリーの歴史は約50年)が、これも先輩の技術と経験のおかげなのです!
日本国内でオーダースーツを丸縫いできるファクトリーは少なくなり、特殊体型補正に困ったお取引先様であるブランド店舗様から、お客様のスーツについての相談が数多くございまして、その対応力では井関先生を中心にCADパターン室メンバーで対応させて頂いております。
特殊体型補正が必要なお客様と言いますと例えば、スポーツをされている方の体型などがそれにあたります。一般の方の体と比較するとあきらかに胸板が厚くウエストは細く、太ももも太い。(←「も」が3つ笑)
そんな体型の方でもうまく補正をしますと、カッコよく着れるのです。
今まで各取引先様からオーダーされている名前を見てみるとサッカー選手、プロ野球選手、競馬のジョッキー、プロレスラー、フィギュアスケート等のオーダーが度々入ってまいります。
特殊補正ではよくあるのは反身・屈身、撫肩・怒肩、鳩胸です。他に細かくは30数種類の補正内容があります。それらの補正を複合した型紙作りをオリジナルソフトを使いCADで行うことにより、同じ補正を繰り返し作ることが可能になっています。
前回もブロクでは書かせてもらいましたが、フィッターと要ご相談です。むやみに補正することにより基本モデルの良さを消してしまうこともありますので慎重に。
自分により合うスーツ等を着用したい方は、ファイブワンでの各店舗は特別なお客様(フィッターの知人、友人)にだけは仮縫い仕上げをしていました。仮縫い仕上げとはお客様の体に良くフィットするように体型補正し仮縫いをし、着付けをした上で再度修正しお仕立てしてまいります。
仮縫いをこれから一般の顧客にも広められるようにとファクトリーで体制作りに取り掛かっています。もう少しお待ちくださいね。
自分に合うスーツを求めておられるお客様にはオススメ致します。
本日のオーダースーツコーディネートはどんなん?
こんにちは。ファイブワンの藤原です。
まだ少し先のお話しになりますが、FIVEONE【ファイブワン】でも人気の高いDORMEUIL(ドーメル)から 「KIBOU311」と題して支援プロジェクトが行われます。
ドーメルプレスリリース抜粋
=ここから=
2011年3月11日日本を襲った東日本大震災から1年となる節目に向けて、 「被災地の方々への希望を持ってほしい」 「世界中の人々はこの大惨事を忘れてはいけない」 と、一定の期間だけではなく長い期間支援できることを考え、バンチからオーダーされた全ての服地の利益の1部を寄付する「KIBOU311」という 世界規模で行う支援プロジェクトを行います。
そのバンチが、2012年に発表される春夏コレクション「トロピカルアマデウス」です。 このバンチには、「KIBOU311」と特別に刻印され、特別なネームが付けられます。
2012年にはドーメルは創業170周年を迎え、日本上陸100周年を迎えます。 日本のアップカミングなブランドが「KIBOU311」である「トロピカルアマデウス」を使用してアイテムを制作、盛大なPARTYを開催いたします。 「トロピカルアマデウス」のバンチからオーダーされた収益の一部は、最も大きな被害を受けた宮城県南三陸町に桜の木を植えるプロジェクトを推進する 「LOOM(Love Of Our Mother country)」を通して寄付いたします。桜の木を植えるこのプロジェクトでは、170周年の170にちなんで、合計170本の桜の木を寄贈します。
=ここまで=
FIVEONE【ファイブワン】でも、この支援プロジェクトに力を入れていきたいと思っています。 個人的にもドーメルの服地は凄く「色気」がある。他にはない何とも言えない風合いがあり「感性」も感じます。 この支援プロジェクトもそうですが、ブランディングがとてもきれいだなと感じております。「ストーリー」がとても大切なスーツ作り。その「ストーリー」が明確なのがドーメルです。 いい服地があってこその、いいスーツ作り。どちらも「いい生地・いい縫製・いい採寸」でなければ活かしきれません。
FIVEONE【ファイブワン】でもバンチブックを沢山用意しております。
お時間ある時にでも、ご来店頂きご覧下さい。
少しでも参考にして頂けたら幸いです。
藤原 愛之
ファイブワンの中吉です。
さて今日は、ファイブワン・ファクトリーの熟練の職人の技術についてです。すこし面白い物を皆様に見ていただこうかと思います。
では早速、
穴かがりです。
穴かがりです。
違いが分かりますか?
写真を変えて、
袖釦の穴かがりですよね。
これも同じく。
わかりましたか??
正解は、ネイビーストライプ生地が「機械」で、グレースストライプ生地が「手穴かがり」。いわゆるマシンメイドか、ハンドメイドかということでした。2つの違いは、よく見ていただければわかるのですが、手穴かがり(ハンドメイド)の方が、細くて細かいんです。 そして、美しい。職人の魂が感じられます。機械の技術を、人の技術が軽々と上回っているんですね。もちろんスーツにそこまで、こだわりを持つ必要はないでしょう。しかし、イタリア・ナポリのとある工房では、穴かがり専門の職人が存在し、ありとあらゆる手穴かがりに対するノウハウを持っております。つまり、その職人は、「一芸」のみで、飯を食っているんですよね。感服いたします!
と、話は少し脱線しましたが、ファイブワンのスーツにも、何人もの職人の魂が吹き込まれているのです。
そんなスーツを着てみたいと思いませんか?ファイブワンではこういったハンドメイドもオプションにて承っております。
ご興味のある方はファイブワン各店(銀座・大阪・神戸元町)にお問い合わせください。
今日のオーダースーツコーディネートはどんなかんじ?
こんにちは。ファイブワンの藤原です。
前回は「ジャケットスタイル」と題してご紹介させて頂きましたが、今回はダブルブレストジャケットの紹介です。
私の記憶では1990年代 MC Hamme(MCハマー)が日本においても一世を風靡した時のダブルブレストスーツが印象的でした。その時「とんねるずのみなさんのおかげです」に出演し、石橋貴明さんと共演で爆笑してたのを思い出します。
少しお話しがそれましたが、写真でもわかるように90年代のダブルブレストジャケットと現在のダブルブレストジャケットとでは、全くデザインが異なります。 特に違う点は、ゴージ(エリの高さ)・肩パット。現在のダブルジャケットは90年代とは真逆で ゴージ(エリの高さ)が高く、 肩パットは薄い。もしくは無いこともあります。
写真◆FIVEONE【ファイブワン】6×2ダブルブレストジャケット BLACK LINE @ASK (お客様分撮影)CERRUTI Italy Cashmere 100
◆ 衿(エリ)はピークドラペル ◆ 腰ポケットはアウトポケット
『BOGLIOLI(ボリオリ)の中でも、人気の高いDOVER(ドーヴァー)のように、アンコン仕立てで軽く羽織りたい』とのオーダーでしたので、 肩パットは毛芯にして、裏地は観音開きの大見返し(1枚仕立て)にしてあります。カシミア100ですので裏地無でも十分に保温性はあります。
写真◆FIVEONE【ファイブワン】6×2ダブルブレストジャケット
◆ 衿(エリ)はピークドラペル ◆ 腰ポケットはスラントポケット
このように時代の移り変わりでダブルブレストジャケットでもデザインが異なりますが、根本的な作り方(縫製)などは全く変わりません。
FIVEONE【ファイブワン】では1964年創業以来、作り方は変わっておりませんが、現在のシルエットやデザインについては、日々勉強してます。
「伝統技術と先進性を兼ね合わせたブランド」それがFIVEONE【ファイブワン】です。
少しでも参考にして頂けたら幸いです。
藤原 愛之
今日のオーダースーツのコーディネートは?
こんにちは。ファイブワンの藤原です。
前回から「理由」ばかりブログを書いてましたので、少し休憩し「カジュアルジャケット」を紹介したいと思います。
FIVEONE【ファイブワン】でもジャケパンスタイルのご注文も多く頂いております。 ジャケット生地にも力を入れており、沢山の柄から選択頂けます。フィッターからも「お客様の用途」に応じた柄や品質などをヒヤリングさせて頂いております。そこで、本日は「休日に着用したいジャケットスタイル」のお話しです。 今季や来年もトレンドとして注目されているのが「チェック柄」。BOGLIOLI(ボリオリ)やLARDINI(ラルディーニ)からも多くリリースされています。 個人的にはLARDINI(ラルディーニ)のチェックジャケットには注目してます。ファイブワンでのヒントにもなりますしね。 オーダーでチェックと考えられない方には無地にして、デザインで遊ぶのも1つの手です。
FIVEONE【ファイブワン】ジャケット BLUE LINE @ 48.000円からご用意しております。
写真◆DORMEUL (ドーメル) KIRGYZ WHITE (キルギスホワイト)
Wool 100
◆グレンチェックパープル格子柄ジャケット/衿(エリ)はノッチラペル/腰ポケットはアウトポケット ◆トラウザーズ/JACOB COHEN(ヤコブコーエン)@私物
写真◆MAGGIA (マッジャー) Italy Wool 100 ストレッチ素材2011AW新作4×1
◆ダブルジャケット/衿(エリ)はピークドラペル/腰ポケットはアウトポケット ◆トラウザーズ/DUCA VISCONTI (デュッカ ビスコンティ―) Italy Wool 100 コーディロイ素材
今回は休日をテーマ―にコーディネートをさせて頂きましたが、参考になりましたでしょうか? その他リゾート用ジャケットなど、用途に応じたご相談をお待ちしております。
藤原愛之
今日のオーダースーツコーディネートはどんな?
ファイブワン直営店(大阪・神戸元町・銀座)においても、オーダースーツをご注文される時期が例年に比べて、ゆっくりです。
全国的に温暖であり、ファイブワンファクトリーがある関西地方(大阪枚方)においても、暖かい日が続いておりました。昨日から冬到来の感があり、今からお客様のオーダースーツのご注文を心待ちにしております。
ファイブワンファクトリーでは、この時期はオーダースーツ中心に縫製しておりますので、気温の変化と売れ行きには敏感です。本日も、寒さが厳しくなりつつあり、沢山の生地が入荷しております。
数ある有名生地メーカーがありますが、その中からカノニコのフランネル生地を紹介致します
入荷される生地を見ておりますと、寒さが厳しきなるにつれて目付の大きい生地(340g程度)でオーダーされる方が多くなりつつあります。
カノニコには、ストライプ・格子・無地の様々なフランネル生地が揃っており、色も多く展開されているので、きっと好みの生地が見つかると思います。
また、この時期は、オーダーコートもカシミヤなどの素材が人気があります。
ハリスツイード生地
今シーズンはハリスツイードの100周年という黒色の記念ラベルが発行されたこともあり、今シーズンのハリスツイードは例年以上に人気があるようです。数十年後にプレミアがつくかも知れませんね。
色味は明るく、柄は大柄が特徴的です。
生地メーカーさんの在庫は、少なくなりつつあり品切れも出始めましたので、「今年はハリスツイードを!」という方は、是非お早めに・・・。
個人的には、カシミヤのオーダーコートはビジネス用に、ハリスツイードのオーダーコートはプライベート用に活躍しております。
実は、私、フランネル生地のオーダースーツは持っておりません。最近、街でフランネルのスーツを見かけると、今年こそは、フランネルでスーツを作ろうと考えているところです。
今日のオーダースーツのコーディネートはどう?
ファイブワンファクトリー株式会社 代表取締役 森 俊彦
皆様こんにちは。ファイブワンの中吉です。予報通り寒くなりましたね。いよいよ冬の足音が聞こえてきました!
お洒落が心置きなく楽しめる季節ではないでしょうか。 (日々物欲との戦いになります!)
今日は、先日開催された神戸ブランメル倶楽部での「ツイードの共演」のスナップをご紹介したいと思います。
◆コルウ様
個人的に1番着てみたいと思いました!デザインのバランス、ニット&ネクタイのコーディネートが絶妙です。
◆BIGMAN様
シンプルなカントリーテイストですね。
◆バーニーズニューヨーク様
さすが業界の先頭を行くセレクトさんです。 まさにこれこそが、最旬の合わせ方ではないでしょうか?
◆石田洋服店様
ハンティングジャケットですね。 写真ではわかりにくいですが、細部のディティールまで素晴らしく作りこまれていました。見ているだけでとても勉強になりました。
◆麻布テーラー様
カジュアルなディティールを盛り込んだジャケットに ヤコブコーエンのデニムを合わせ とてもかっこよかったです!
◆ベストリア様
ブルーで統一され、さわやかなコーディネートです! チェックの柄とクルミ釦が同色で 全体の配色に統一感が感じますね。
僭越ながら、各ショップ様のコーディネートにコメントさせていただきました。今回は、各ディスプレイを眺めるだけでとても勉強になりました!
ファイブワンでも、ご相談いただければ、細かいディティールまで対応させていただきます。
是非ご相談くださいませ。
今日のコーディネートはどんなの?
こんにちは。ファイブワンの藤原です。
先日のブログに引き続き、本日は「スーツのポケット」についてのお話しです。 「スーツの腰ポケットに物を入れるのはお勧めしません」 とは言ったものの、腰ポケットは重要なデザインですとも申し上げました。理由を説明させて下さい。
FIVEONE【ファイブワン】のオーダースーツにおいて、デザインをヒヤリングする際にポケットの形についてもお聞きします。
胸ポケット◆バルカポケット(船底) ◆ハコポケット ◆アウトポケット ◆変形アウトポケット(ピニャッタ) と4種類から選択できます。
腰ポケット◆フラップ有・無 ◆水平ポケット ◆スラントポケット(ナナメ) ◆チェンジポケット(水平・スラント) ◆アウトポケット ◆変形アウトポケット 大まかに6種類から選択できます。
それぞれ、用途・理由によって、デザインが変わってきます。選択される際にスタッフにお聞きください。 特に腰ポケットの場合、選択されるポケットで見た目やデザインがすごく変わります。 現在は、水平にポケットを付けるよりスラント(ナナメ)に付ける方が視覚的にスタイルがよく見えるとされています。※スラントポケットの起源は、「紳士の乗馬」にあると言われていますが、今回は割愛します。
FIVEONE【ファイブワン】のスラントポケットは中心から前後1センチの差。(端から2センチ)です。 モード系寄りのスーツであれば、もっと角度がついているモノもありますが、ファイブワンでは流行に左右されないデザインを考えていますので スラント(ナナメ)でもこの角度に設定しております。 角度の話と同時に腰ポケットは、位置が大切です。 極端なお話しですが、腰ポケットは、上にあるほどスタイルが良く見えます。ありえないですが胸の辺りに腰ポケットがあるのを想像してみて下さい。 腰が上の方にあると錯覚し、スタイルが良く見えることもあります。
FIVEONE【ファイブワン】ではゲージ(ベースとなるサイズ)を着用して頂きます。その際、着丈は、身長を参考に、お好みに合わせて設定します。 例えば着丈を6センチ短く設定した場合、FIVEONE【ファイブワン】のCADシステムによって、ポケットの位置が3分の1、上に移動します。 よって2センチポケットの位置がかわります。このように6センチ短くすると、ポケットの位置がそのままだったら明らかにバランスの悪いスーツに なってしまいます。半世紀の経験とノウハウが詰まったファイブワンシステムなのでご安心下さい。 その他にも沢山の理由がありますので、随時ご紹介できればと思っております。
少しでも参考になれば幸いです。
藤原 愛之
ファイブワンファクトリーには、リズミカルにポンッタンッという音が鳴り響いております。一着一着に真心こめてミシンをまわし、オーダースーツに魂を吹き込んでおります。
今回 ご紹介するのは、身返し据え担当の松下です。
身返し据えとは、001で山下が紹介した「芯据え」工程を経た前身に、005で紹介した、東が柄あわせをしながら「手裁断」された身返しとを、前端を合わせながらジャンプミシンでしつけをしていく作業です。
わたくしは、「身返し」というパーツは、スーツ(ジャケット)を構成する様々なパーツの中でも、面白いパーツだと思います。「ラペル」となる部分はスーツ(ジャケット)の顔になり、また、内ポケットの部分は前身の内側で財布やペン、時にはスマートフォンを収納しています。
装飾性と機能性を兼ね備えた一枚の身返しは、ラペルが折り返った状態で完成形となるので、作業台は平面ですが、常に完成形(曲線)をイメージしながらミシンを走らせています。芯据えされた前身の状態を確認しつつ、身返しをのせます。そして、ラペルの先はゆとりを持たせ、逆にラペルの間は張らせて、返り線から下は、またゆとりを持たせる、という様に一着一着形作っていきます。生地のクオリティーや厚みによってゆとり量や張らせ量に注意を払いながら手加減が必要で、その瞬時の判断にはやはり経験が必要だと日々感じます。
「身返し据え」でもう一つ大切なことは、ジャケットやスーツの顔となるラペルの柄あわせです。格子やストライプをそろえる為には、前身の縫い代の幅と見返しのラペル部分の断ち端を確認し、均一にそろえます。時には、縦糸を一本ずつ取る作業になり、ついつい肩に力が入ってしまいます。
身返し据えはあくまでもしつけなので、次の工程の「身返し地縫い」が終わって初めて左右の柄が揃っているかが分かるので、それまではドキドキです笑。
「身返し据え」と「身返し地縫い」二人で一つの作業なので、技術や経験よりも二人のコミュニケーションがなにより一番大切だと思っています。ジャンプミシンと地縫いミシン、互いが得意な部分でお互いの作業を補い合いながらフロントを作っています。
ジャンプミシンは、「ポンッポンッポンッ」と踏むごとに、「タンッタンッタンッ」と針が下りるので、作業に慣れてくると自然とリズムが生まれてきます。集中して調子に乗ってくるとつい脱線ということも・・・
ジャンプミシンはよく、「絵を描くように踏むと良い」と言われるくらい感覚的でとても面白いミシンです。なかなかお目にかかる機会も少ないとは思いますが、皆さんにも一度踏んでみてもらいたいです。
適度にゆとりが入ったラペルは、シワがなく、前身に柔らかく上品に折り返って落ち着きます。最終的に、一着に仕上がったスーツ(ジャケット)のラペルが、シワがなく落ち着いているのを目にするとホッとします。
今日のオーダースーツのコーディネートは?
こんにちは。ファイブワンの藤原です。
先日、電車に乗っているとベント(ジャケットの背腰部分の切れ目)にしつけ糸をつけたままの方を見ました。 お声をかけようかと思いましたが、次の駅で降りられたので無理でした…。
そもそも、「しつけ糸」は何の為に付いているのか? 本日は「しつけ糸」についてお話しします。
一言でいうと、しつけ糸とは、縫い目やスーツの形を正しく整える為の仮の糸
FIVEONE【ファイブワン】のスーツ・ジャケットは、お客様にお渡しする際に、下記の3カ所に「しつけ糸」を残したまま納品されます。
◆胸ポケット
◆腰ポケット (フラップ有無関係なく)
◆ベント (センターベントであれば1ヵ所、サイドベントであれば2ヶ所、ノーベントであれば無)の3ヵ所にしつけ糸がつけられています。
しつけ糸は、胸や腰のポケットの裏地や表地を正しく整える為のものですので、裁断後に縫い合わされ、縫製の最初の作業から付けられます。 工程上、必ず用いらなければいけない作業になります。
「縫われてしまっていてポケットが使えない」と仰られる方もいらっしゃいますが、実はわたくしは、腰ポケットのしつけ糸はそのまま切らずに着用しております。 なぜならば、腰ポケットに物を入れるとシルエットが崩れますし、よれよれになってきてしますからです。 それなら「ポケットいらないじゃないの?」と思われますが、腰ポケットは重要なデザインでもあるので必要なのです。その理由は、次回のブログで御紹介しますね。
ちなみに、胸ポケットのしつけ糸は、チーフを入れる為に切ります。もちろん、ベントは絶対に切ります。小物を入れる際は、内側のポケットを活用してます。ファイブワンのオーダースーツは、必要に応じて内ポケットの選択も自由にできます。もちろん、用途(個人差)がありますからオーダーの際にスタッフに御相談ください。
少しでも参考にして頂けたら幸いです。
おまけ「しつけ糸での演出」
レオン12月号・Etro(エトロ)のカシミアジャケットが実におもしろい。
記事からの抜粋ですが、手仕事が味わえる上に、袖丈やボタン位置などを微調整してからのお渡し。
こんな「演出」もありですね。
藤原 愛之
今日のオーダースーツコーディネートはどんなの?