◆初夏に向け快適な薄くて軽いジャケット
気温が上昇するにつれ、ジャケットを着る機会が増えてくるのではないでしょうか。おしゃれな大人のジャケットといえば、代表的なファクトリーブランドとしてボリオリ(イタリア)を思い浮かべる方も多いと思います。
ボリオリの創業者ビエロ・ボリオリは優れた仕立て技術を持ち、ファッション感覚あふれる人物だったそうです。
19世紀末に採用したスタイル、イタリアのサルトリアーレ(仕立て服)は英国でいうビスポーク。
職人がお客様の声を聞きながら、話し合いの上で生地、スタイル、ディテールを決めていました。
もともとファクトリーであったボリオリはその手法を継承し、「モダン&クラシック」を掲げて時代に先駆けるスーツ、ジャケット、パンツを生み出します。
※ボリオリデザイナー / ピエルイジ・ボリオリ
メンズファッションの世界で19世紀から続くイタリアンクラシックという伝統。
最近のボリオリは、そのまろやかなシルエットをさらにスマートに演出し、薄くて軽いジャケットという現代のニーズに応えています。
もちろん伝統的な知性と、現代的な感性を兼ね備えていることは言うまでもありません。
かつてボリオリのハンドメイドの伝統は確固たるものがありました。現在は機械化され、量産となりましたが、まるで手作りのような細やかなディテールは多くのユーザーに愛されています。
ボリオリと言えば大好評を博したドーヴァーを思い浮かべる方も多いと思います。
それらのラインナップは年々、少しずつ変化を見せており、ビジネスにも違和感のない服として、さらに人気が高まっているようです。
◆ファイブワンのテーラードジャケット
ファクトリーブランドとして半世紀の歴史を持つファイブワンにも、時代のニーズに応えた薄くて軽いジャケットを仕立てる技術があります。
春から夏にかけては、伝統的でありながら先進性を大切にするファイブワンならではのテーラードジャケットをお仕立ていただくチャンス。
オーダーメイドスーツともどもご検討ください。
◆生地の産地はイギリス、イタリア、ベルギーなど
生地の知識が深まると、スーツオーダーがさらに楽しくなります。ファクトリーブランドのファイブワンは縫製工場としての創業から約半世紀、世界の生地、服地を豊富に取り扱ってきました。
一口に生地といってもさまざまな種類があり、原材料や産地の個性、色、柄、風合い、ツヤ、コシなど多くの選択肢があります。
スーツなどの生地としてもっとも親しまれているウールの場合、メリノ種などの羊の毛を繊維にして作られます。繊維は糸に加工され、染色されます。
織物工場では経糸と緯糸をていねいに織り合わせ、洗いと乾燥ののち、毛羽を取るなどして生地に仕上げます。完成した服地は反物として温度と湿度の管理された倉庫で出荷を待ちます。
高級服地の産地としては、イギリス、イタリア、ベルギーなどがあります。いずれも生地は山岳地帯や田園地帯のきれいな水のある場所で作られます。日本でも友禅流しなどが知られていますが、特に染色には清流が必要条件だからです。
ファイブワンが仕入れている生地も、こうした各産地から厳選したブランドです。
◆ドーメル直営店がもうすぐ銀座にオープン(らしい笑)
では、生地のブランドをご紹介していきましょう。
世界的に有名なマーチャント(服地卸)として、ドーメルが筆頭にあげられます。ドーメルは1842年にフランスの繊維商ジュールズ・ドーメルが設立。最初はイギリスからフランスに毛織物を輸入していましたが、1926年ロンドンにドーメルハウスを開設し、高級英国服地を中心に次々と新製品を生み出しました。現在ごく普通に見かける、生地の端にある耳文字。これは1920年代に「スポテックス」という服地でドーメルがはじめたものです。また1957年にモヘア生地「トニック」を開発し、大ヒットさせたことはあまりにも有名です。
このドーメルは東日本大震災のあと、復興支援プロジェクトKIBOU311を展開し、日本を応援してくれています。そして、もうすぐ銀座に大きくオープンする計画もあるといいます。
私たちファイブワンはオーダーメイドスーツを手掛けるファクトリーブランドとして、以前からドーメルの生地を取り扱ってきました。ドーメルの銀座本店計画で、一流の生地がさらに身近なものになると期待しています。
このブログをご覧のみなさまも、ファイブワンにご来店の際は、ぜひドーメルの生地を手に取ってご覧ください。お待ちしております。
◆クールビズでカジュアルがビジネスシーンに浸透
こんにちは、ファイブワンの浅井です。
服の仕事をしていると、無意識のうちに気にしてしまうのが、気温や湿度のことです。地球温暖化の影響でしょうか、この数年は、日本も夏になると亜熱帯のような暑さに見舞われています。
そのためにサマーファッションがある!とはいっても、度を過ぎた猛暑はカラダにもきついですね。
□ピッティにて。どこかのバイヤー、名前忘れた。
さて、初夏の声が聞こえてくると思い浮かぶのがクールビズです。クールビズは環境省がリーダーシップを取って始めた夏期軽装化キャンペーン。最初に実施されたのは2005年ですから、もう7年の歴史があることになります。
環境省はクールビズの期間を6月1日から9月30日までとしています。公務員の方はおおむねその期間を上着なし、ネクタイなしで過ごします。民間企業の方は実際の気温に応じて期間をゆるやかに決めているようです。
昨年は東日本大震災にともなう大規模な計画停電や節電があり、クールビズもさらに軽装化が進んだように思います。軽装というより、カジュアルになったと言ってもよいでしょう。官公庁の窓口では、ノージャケット、ノーネクタイが普通になりましたし、企業によってはポロシャツを容認するところもあるようです。さすがに営業マンがTシャツというのはないようですが。
◆フォーマルやビジネスでは伝統を守りたい
そんなクールビズをきっかけとしたファッションの軽装化、カジュアル化に、どういう印象をお持ちでしょうか。ファッション雑誌でヨーロッパのテーラーなどのコメントを読んでいると、やはりコンサバの立場から疑問の声が聞こえてきます。
□大阪店 藤原
わたくし自身、カジュアルな着こなしも当然大好きですが、歳月をかけて培われてきた着こなしのルールやマナーも大切にしたいもの。
特にフォーマルやビジネスでの安易なカジュアル化に疑問を呈する方も多いようです。伝統は一度崩れてしまうと、容易には建て直せません。
ファイブワンのようなオーダーメイドスーツをお届けするテーラードファクトリーブランドこそ、歴史と伝統には敬意を払いたいと思います。世界的な傾向といわれるファッションのカジュアル化が、この先どうなるのか、今、それが私の最大の関心事です。
ちなみに夏わたくしは、コットンスーツやシアサッカースーツ、リネンシャツで耐え忍びます。そして休日リゾートはソラーロで!
□フィンテス
こんにちわ。ファイブワンの浅井です。
◆ファイブワンがめざすスーツ
ファイブワンの創業者は「すべてのお客様に最高品質のスーツを提供する」という理念を掲げ、以下のようなポイントを重視しながら、服づくりに取り組みました。
この姿勢は現在もファイブワンのスタッフ全員に継承されています。
【デザイン】・【着心地】・【一流の生地】・【コストパフォーマンス】・【品質管理】
これらが実現できたのにはいくつかの理由がありますが、もっとも大きな理由はファイブワンが日本には珍しいファクトリーブランドだということではないでしょうか。その服づくりの優れた技術と品質管理こそが私たちの誇りです。
◆ファクトリーブランドとは
ファクトリーブランドとは、高級ブランドのスーツ、ジャケット、パンツ、シャツ、ネクタイなどを受注生産している縫製工場が、自社で独自に生産するブランドのことを言います。
世界的によく知られている一流ブランドの服も、自社で縫製工場を持って生産されていることは少なく、多くの場合、優れた技術を持つ縫製工場にアウトソーシングされています。
□ZEGNA
ファイブワンは1964年に大阪・枚方に縫製工場として創業以来、有名ブランド・セレクトショップのOEM(相手先ブランドでの商品供給)を行うなど、日本では他に類を見ない職人集団としてファッションシーンを支えてきました。
そして現在は、銀座本店、大阪店、神戸元町店の3店舗を擁し、日本でただひとつのファクトリーブランドとして知られるようになりました。
□ファイブワンのアイロンワーク
◆徹底した管理基準から生まれる高品質
一流ブランドのスーツなどは、厳しい基準のもとで生産されています。ブランドのメーカーは縫製工場に品質基準、管理基準などを提示し、縫製工場もそれに厳格に応えます。
だからこそ、ユーザーに愛される個性的なデザイン、高いクオリティのスーツが完成します。
最近はマーケティングの一環としてブランドが消耗品のように使い捨てられるケースも見受けられますが、やはり歴史と伝統に裏打ちされた本物のブランドには、言葉にできない魅力があります。
□数々のパターン(型紙)
ファイブワンのオーダーメイドスーツは、約半世紀の経験を生かした高品質のファクトリーブランドとして、お客様に高い評価をいただいております。
高級ブランドのなかにあっても、ふと振り返ってもらえるような、そんな存在感のあるスーツをお届けしたいと思っています。
こんにちは、ファイブワンの矢澤です。
おかげさまで、4月6日から開催しています、ドラッパーズフェアご好評です。
ありがとうございます。
先日私がオーダーしたソラ―ロのジャケットが上がって来ましたので、アップさせていただきます!
ジャケット◆DRAPERS SOLAIRE No.3083 Super130’S Wool100% フェア価格¥88.000-
シャツ◆THOMAS MASON TMG2028 オーダー価格\27300-
パンツ◆JACOB 622
私物 靴◆私物
さすがドラッパーズ!とても軽くて着やすいです。
ソラ―ロ(たまむし)感つたわりますでしょうか。
フェアでオーダーくださいました皆様、仕上がりを楽しみになさっていてください。
今、ドラッパーズでオーダー頂きますと、同じドラッパーズのコットンパンツを29,000で提供させていただきます。
今回のフェアは5月6日まで開催しております。
縫製の山下です。
二回目の登場です。
今までの縫製担当の時は縫製工程を順に紹介していましたが、一旦工程はお休みして、今回はミシンの事を書きたいと思います。服作りにはかかせない道具のひとつです。
紳士服の世界ではハンドで縫い上げる事もありますがマシンで縫い上げる事が業界全体では多いとおもいます。
ミシンもいろんな物がありますが、大きくは本縫いミシン、下糸がないカン縫いミシン(ロックミシン)などが代表的なミシンですが、我社では、その他にジャンプミシン(仮止め、躾)、ルイス(ヘムなどのまつり)、AMF(ステッチ)、袖つけ、穴かがり、カン止め、など約10種類くらいのミシンで
日々縫い上げています。
縫製ではまずミシンを使いこなす事も重要なことです。同じ種類のミシンでも踏み味が違いますし、生地や、糸でも調子が変わります、調子をくずして、てこずる事もしばしば泣きそうになります。
当然、そうならないために、ミシンの基礎、糸、生地の知識が必要です。
我社で使う代表的なミシンの中でジャンプミシンを少し紹介します。躾、仮止めのミシンですので各工程でよく使うミシンです。
特徴は押え金が上下に動きます。動きがランダムなどで、はじめはとまどいます。
まっすぐ縫い進めるのも慣れがいるし、運針も本縫いに比べると巾が広いです。縫い上りが躾糸だらけになります。でもこれが、紳士服のあがりの特徴でもあるなと、個人的には思っています。レディスの縫製では無いと思います。
ただ最後に取るのも手間がかかります。もちろん、手間がかかってる分、いい服になっています。
皆さんも街中で紳士服のお店のディスプレイで躾止めされた物や毛芯が見えている物を見た事は有りませんか。