ポケットの仕様についてです。
ポケットに限らず、ものごとには、理由や背景があるものです。スーツのポケットにも、実用的理由・歴史的背景があります。
もっともスタンダードな仕様は「フラップ(ふた)付きの水平ポケット」ですが、
英国的な(英国調を象徴する)仕様として、『スランティッド(ナナメ)ポケット』や『チェンジポケット』があります。
まず、スランティッド(ナナメ)ポケット。
もともとテーラードジャケットは乗馬服として、着用していたもので、乗馬において、馬にまたがる際にポケットが地面と平行になることで、中のものが落ちにくく、また、出し入れしやすいように、ナナメに角度をつけたことが由来だといわれております。
視覚効果としては、ポケットがナナメについていることで、ウエストのくびれを強調することができます。その結果、すらりと(細く)見えることが期待できます。
そして、チェンジポケット。
チェンジ(change)とは、「釣銭」の意味で、もともとお釣りでもらったコインや小銭を入れていたことに由来しております。
視覚効果としては、目線を上に持ってくることができるので、足を長く見えることが期待できます。
他にもジャケットの仕様として人気があるものに、パッチポケット(アウトポケット)があります。
パッチポケット(アウトポケット)は、もともと一枚仕立てで作られた、いわゆるアンコンジャケットに近い作りのモノが原型としてあり、一枚仕立てなので、ポケットは外側から、布を張り付けるより他にポケットを備えることができなかったという理由でできた仕様だといわれています。
※アウトポケット変形タイプ
視覚効果は、「カジュアルな印象」になるとされております。
このようにもともとは実用性を考慮されていたポケットではありますが、シルエット・型崩れの観点からは、ポケットにあまり物を入れないことをオススメします。
あくまでもファッションとして、楽しみましょう!
ポケットティップスでした。
おしゃれはもちろん大切ですが、せっかくの着こなしもTPOに合っていなければ、常識がないと判断されてしまい、台無しです。
TPOとは、御存じのとおり、TIME(時)・PLACE(場所)・ OCCASION(場合)の頭文字をとった略語。
TPO・マナーを、特に失敗できないのが、冠婚葬祭ではないでしょうか。
弔事の場合
■ブラック/ネイビー(濃紺)のスーツに、白シャツを。
■ネクタイはブラック/ネイビー(濃紺)で、タイピンはつけません。
■くつ・靴下・ベルトの小物類も、ブラック/ネイビー(濃紺)で揃えます。
※ただし、ネイビー(濃紺)は「敬愛・忠誠」をあらわす色として、はずれでは決してありませんが、やや高度なテクニックではあります。
結婚式の場合
■やはり、ブラックのスーツが通常です。
最近では、ブラック以外のスーツも多く見受けられます。結婚式のようなめでたい場は、たいていのことは、目をつむってもらえます笑。わたくしも、ブラックスーツには、こだわりません。グレーやネイビーのスーツも、ネクタイをシルバー系に変えるだけで、十分フォーマルになります。
■シャツは白シャツがいいです。TPO/マナー以前に、その方がかっこいいです。衿(エリ)がセミワイドで、ダブルカフスならなおいいです(ドレッシーです)。
■くつはローファーなどではなく、ひもくつがマナーです。黒のストレートチップが望ましいです。
■もちろん、ベルトもくつも黒、そして白のチーフをさすと印象がいい、と思いますが・・
結婚式では、新郎新婦を祝福する気持ちが伝われば、少しくらいのおしゃれはありです。ただし、知っているけどやらないのと、知らなくて出来ないは大きく違いますので、気をつけましょう。
それと、1度は失敗するのが、
2次会の「平服でお越しください」という表記。
平服=普段着(ジーンズやチノパン、キャップ・・・)ではありません。
かといって、仕事で着ているビジネススーツでは、「金曜日のサラリーマン」になってしまいますので、気をつけましょう。
基礎さえ知っていれば、何も難しいことではありません。
基礎を押さえた最低限のマナーで、精一杯、洒落者になりましょう!