ファイブワン・ファクトリー見学会が、11月21日、12月3日の計2回、大阪府・船場適塾さん主催で開催されました。
当初の参加者募集枠10名に対して30名の応募があり、予想以上の反響に、第2回目を12月3日に開催する運びとなりました。
見学会は、ファイブワンの歴史から始まり、スーツ作りの工程すべてを見学して頂くという、「魅せるファクトリー計画」の一環として実施させて頂きました。
スーツを作る現場ですから、普段は、光が当たらないのですが、実に興味深くハイレベルな工程が沢山あります。
職人の手技を見て頂くことで、ファイブワン社内でも職人に対する意識向上につながり、お客様にも手間暇かけてこそ仕立てることのできる風合いや着心地について、より深く理解して頂くことが出来たと思います。
自分のサイズにピッタリ合ったオーダーメイドのスーツは、袖を通した時の着心地の良さを感じていたくことが重要ですが、服地の品質の良さから出る自然でエレガントな風合いも見栄えに大きく影響しており、素材選びから縫製技術まで工場に蓄積されたノウハウは多岐にわたります。
シンプルに最高のオーダースーツを着て頂きたいという理想を追求して生まれた、新型のオーダースーツ専用型紙が、4年に一度のフルモデルチェンジ致しましたので、今回の見学会では、展示会も併設させて頂きました。
ブランドやセレクトショップの方がファクトリーを見学されることは多いのですが、お客様に見学して頂くのは初めての試みでした。
沢山の方に御応募いただき、大阪府枚方市まで足を運んで頂き、本当に有難う御座いました。
−見学会での参加者からのご意見・ご質問−
■「若い職人さんが多いですね、技術継承の研修会などはどのように実施していますか?」
⇒年間の研修スケジュールを策定して新人中心に丸縫い研修会を実施しております。自分の好きな仕様で型紙から作成していくプログラムで、ベテランの職人が協力し、若手に教えていきます。
■「総煉瓦造りの平屋建ての社屋に歴史を感じました。」
⇒最盛期には36社あった縫製工場が、現在は4社となりました。我々は、時代の転換時に、大量生産型のファクトリーではなく、ハンドワーク主体で、1着にかける工程数の多いファクトリーを目指すことを選択しました。
今後とも、歴史に恥じないモノ作りをしてまいります。
■「床に桜の木を使用していて柔らかくて歩きやすかった。工場っぽくない」
⇒1日中立ち仕事をする職人さんたちのことを考えて無垢材を使用しています。
■「ファイブワン鳥取工場でパーツを作り、ファイブワン枚方工場で組み立てるという分業は、今後も続けるか?」
⇒国内縫製工場として生き残るためには、様々な努力が必要ですが、やはり職人の技術を継承することが大変重要です。その地域の得意分野である縫製技術を生かすためにも安定した雇用を確保し、分業を継続しながら、自社縫製にこだわったものづくりをしていきます。
■「国産に高品質な生地があるのに、ファイブワン直営店舗で取扱いしない理由は?」
⇒大変難しい質問ですが、高級ブランドのOEMを手掛ける縫製工場として発展してきた経緯から、一部の生産枠を使用してファイブワン直営店舗は銀座・大阪・神戸でファクトリーブランドとして営業させて頂いております。規模も小さく国産の高級素材をオリジナルで展開できるまでのロットではない為に、現在は取扱いをしておりませんが、世界的に品質に定評のある生地素材を多く集めたオリジナルバンチを展開することで、お客様からは生地素材のセレクトにもご好評を頂いております。
「ファイブワン直営店舗は今後拡大されますか?」
⇒ファクトリーブランドとして手間暇を惜しまないモノ作りを継続する為には、安定した経営基盤が重要です。直営という形をとらずに、地方に2000店以上はあるといわれる個人テーラー様から信頼を頂き、地元のテーラー×ファイブワン○○店というコラボレーションで地域ナンバーワンのオーダースーツショップを開拓していきたいと考えております。
工場見学会の開催には、船場適塾の皆様に御協力頂き誠に有難う御座いました。
船場適塾は、繊維産業を通じて関西から日本を元気にするという取り組をされている団体です。
こんにちはファイブワンです。
170周年を迎えた、フランスを代表する生地商のドーメル
ドーメルファミリーが日本のスーツ文化の発展に大きな影響を与えたスポーテックス発売から数十年が過ぎた今でも、その存在感は健在です。
下の写真は、展示された十数年前のオーダースーツ。
生地「ドーメル・スポーテックス」
ハリとコシがあり、ほどよく乾いた生地の風合いが絶妙に歴史を感じさせます。
永く愛用するに相応しい色柄といい、その品質はやはり本物。
世界中のブランドが信頼する老舗生地メーカーであるドーメル社は、日本での存在感が増していると感じます。
オーダースーツの4大ブランドとして、確かに今までエルメネジルド・ゼニア、ロロ・ピアーナ、スキャバル、ダンヒルが有名でしたが、この数年で「ドーメル」人気が高まっております。
その様な声にお応えしてファイブワン・ファクトリーでは、オリジナルバンチ「ビスポーク・クラシックス・クロス」にドーメル社の生地から?アマデウスKIBOU311??ICE?をセレクト致しました。
ドーメルの生地には、数十年経ても色褪せない価値があります。
世界中で大ヒットしたスポーテックス。
スポーツの語源をたどればヨーロッパの貴族が馬術などをするときに用いた言葉で
スポーテックス生地を見るとそれらしき風合いが感じられます。
左から、
ドーメルジャポン加賀美社長
ドーメル本社ドミニクドーメル社長
デザイナー浅野千幸氏
ファイブワン森社長
今回のイベントで、紹介されたドーメルの素材は、
ハウス オブ ドーメル コレクションとして、ファイブワン直営店で
200種類以上品揃えしております。
是非店頭でご覧下さい。
サビルロウの老舗テーラーでは、お客様の好みを良く聞きます。生地にいたっては、2000種類以上も品揃えしています。お客様の多様な趣向に合わせるには2000種類程度取り揃えないと個性的な要望に対応できないからです。
ファイブワンから待望のオリジナルバンチが登場「ビスポーク・クロス・クラシック」
多種多様な趣向・流行のファッションというニーズを網羅した上で、ファイブワンでは「クラシック回帰宣言」を致しました。古き良き時代を大切にした雰囲気の生地、流行廃りのない普遍的なスタイルを、ファイブワンオリジナルバンチブック【ビスポーク・クロス・クラシック】で表現します。
「ビスポーク・クロス・クラシック」は、ファイブワン・ファクトリーで縫製する専用のバンチです。作り手の目利きによりセレクトされた生地であるということが最大の特徴。目利きした生地を、「反」で仕入れることにより、一般的に流通しているそれらに比べ、価格を抑えることが可能となりました。
また、オーダースーツの安定供給をはかるために、シーズン繁忙期においても生地の品切れをおこさないよう、独自に生地を確保しシーズンを問わず年中いつでも、SS・AW+オールシーズン用の生地を用意する、「オールシーズン・クロス・ストックシステム」を採用することが可能となります。
最上級オーダーメイドスーツの完成度は、「フィッティング(デザイン)」「縫製」と同時に、「生地」の良し悪しが重要な要素です。
【取り扱い生地】
原毛から扱い生地を織っているメーカーの中でも最上級ウールの買い付けに実績のあるイタリアのゼニア社からは、トラベラー生地を。トラベラーは世界中を旅する方やアクティブな方に嬉しい撥水機能があり、しわになりにくく、サラッとしておりアジア諸国でも快適な着心地を約束致します。
キヴィック・グアナコ・パシュミナなどの希少素材の生地を取り扱う世界的生地商であるドーメル社からは、宮城県南三陸町の桜植樹プロジェクトに売上の一部を寄付される【アマデウスKIBOU311】と【ICE】をセレクト。ハリとコシがありシッカリしていて重厚感のある生地なので、仕立て上がりは、しっかりと体を包み込みます
世界中のテーラー・オーダースーツファクトリーが最も多く使用している生地であり毎シーズン多くの新作生地を発表するイタリアの紳士服地メーカーのカノニコ社からは、厳選したクラシック生地の40品番をセレクト。しっとりとした柔らかい生地の感触はイタリアらしさを感じることができ、コスト・品質・デザインのパフォーマンスにおいて最もバランスがよいことから、多くのファンを獲得しております。
ファイブワン製のオーダースーツだけに使用されるオリジナルバンチ
「ビスポーク・クロス・クラシック」
価格【ツーピース オーダースーツ】
ブルーライン66,000円:カノニコ 無地12種類
ゴールドライン88,000円:カノニコ クラシック30種類
プラチナライン105,000円:ゼニア トラベラー15種類 ドーメル アマデウスKIBOU311・ICE 10種類
こんにちは、ファイブワンファクトリーの森です。
関西ファッション連合が運営するせんば適塾が主催のイベント【関西から繊維ファッション産業を盛り上げようという企画】
=10月4日、17時15分から18時45分というトークライブ=
スペシャルゲストであり、YUMA KOSHINOブランドで、TOKYOコレクションなど様々な分野で活躍されている小篠ゆまさんから、ファイブワン製の洋服をご覧頂きながら、トークライブは進行していきました。
ファイブワンのオーダーコートについて「テーラードの洋服は綺麗なラインと同時に、遊び感覚などのワンポイントが必要」とのご意見を頂きました。
ファイブワンでは、オーダースーツ内のポケットのボタンに白蝶貝のボタンをワンポイントで遊びを入れておりますが、今後はもっとお客さまに刺激を与えるデザインを取り入れていきたいと思います。
日本を代表されるデザイナーである小篠ゆまさんとのトークライブを、ご来場のお客様に、熱心に耳を頂けて頂けたことが、今後のものづくりの自信にも繋がり、大変勉強させて頂きました。
またデザイナーという立場からの、様々な提案・考え方は、我々ファイブワンのモノづくりに好影響を与えていただけそうです。
関西、そして日本から、繊維産業・服飾産業が盛り上がることを期待するばかりです。
ファイブワンファクトリー株式会社 代表取締役 森 俊彦
こんにちは。ファイブワンファクトリー河原です。
先日のお盆の連休を利用して、極秘に勉強会を行いました。各個人が採寸をし、その寸法をもとに、一から型紙を引くというサビルロウスタイルです。
「オーダースーツ」を極める若手には貴重な経験の第一歩です。
現在、洋服の多くはCAD(コンピューター)で型紙を引く事がメインになっております。しかし、特にオーダースーツで大事なのは、お客様の身体を意識し、実物大の大きさで、型紙を引く事が重要だと思います。
採寸では、お客様の体の寸法を計り、自分の手でお客様の身体にさわり、肉の付き方、骨のはりだしを手の感覚で覚えます。
なぜ身体をさわるのかと言うと、型紙を引く時に、寸法だけではなく、お客様の身体を意識した上で線を引かないといけないからです。特に背中心は、肩甲骨などやっかいなものが多いです。人によって、左右で違う事もよくあります。
型紙を引く時、背中心、脇などのカーブは鉛チャコを使い、フリーハンドで引きます。今まで、フリーハンドでカーブを引いた事もない上、着用する人の身体を意識して引く線です。何度も引きなおし、1本の線に30分かかりました。たった1本の線でお客様の身体を表現する事になります。1本の線のクオリティーが服の良し悪しを決めると言っても良いと思います。
お客様を採寸し、実物大の型紙を引く。縫製のくせとりを理解し、骨のつき方、筋肉の動き、つき方を把握する。そうして引いた型紙にはそのお客様のための補正が表れます。ここまで出来てパタンナーではないでしょうか?コンピューターだけでなく、自分自身の手でお客様の身体を触って、引く線は既製服にはないものになると思います。
大切なのは一本の線のクオリティーだと思います。
ファイブワンのパタンナーは理想の線を追い求めて、常に研究、勉強をしております。
ファイブワンでは、フィッターを育成する講習会を開催しています。
特に人気のコースが体型補正・特殊体型補正です!
百貨店のオーダーサロンで人気の高いイージーオーダーは、日本が生んだスーツ文化です。
イージーという名前から簡単にというイメージもありますが、実はとても優秀なシステムで昨今は、フルオーダーに近いご要望に対応が可能です!!!
お客様の体型を採寸ンする個所も最大で40カ所以上です。
一般的にレディーメイドのスーツを購入すると、袖丈の詰め出ししかできませんが、
ファイブワンではイージーオーダーのスーツ(上着)なら、着丈・肩幅・上胴・中胴・ケマワシ・袖丈・アームホール・袖筒幅を採寸により最適に選択することが可能です。
これは、他社との違いとして、ファイブワン・ファクトリーはサビルロウを研究しCADに入力する型紙のポイント数値を自動化しており、お客様一人一人の型紙を、職人が手で引くラインと同等以上の精度で作成することが可能となっております。
次に、ストライプや格子柄を柄合わせして手裁断という工程に進みます。
※注意 無地の生地であれば、CADから自動でCAM裁断が可能です。
こうした、ファイブワン独自のシステムは、当社顧問であり現役の井関先生が40年以上の経験から開発したシステムにより実現しておりますが、すべてをシステムで行うという事ではなく、まず自分の手で型紙を引きその線を学び、そのうえでシステムを使いこなすという努力が必要だと考えております。
サビルロウで仕立てるスーツと同等以上のものが36万円で。ファイブワンのスーツがリーズナブルでお買い求めやすくなっているのは、そのような先人の知恵と努力があるからなのです。
※1960年代にサビルロウで作られたパンツ
ファイブワン直営店では、現在 HOLLAND&SHERRY(ホーランドアンドシェリー)とDORMEUL(ドーメル)でオーダースーツフェアを開催中です。
詳しくは、ファイブワン公式ホームページをご覧ください。
ファイブワン・ファクトリー公式ホームページ
asano chiyukiブランド
=パーティードレスから、リゾートラインのドレスまで幅広いシーンに対応できるドレスを提案=
ドレスのデザインは着ていくシーンを設定し、素材、ラインのバランスを考え製作。ドレスアップする女性には、エスコートする男性が必ずいらっしゃいます。
そこでドレスアップする女性の横に存在する男性が着るスーツやタキシードをデザイン提案することになりました。
ドレスデザイナー浅野千幸が提案するメンズコンセプトは、ドレスのコンセプトにも共通するで「品格あるセクシーさ」。
asano chiyukiオーダースーツでは男性デザイナーにはない女性目線のセクシーラインがデザインに加わり、他にはないラインのスーツが出来上がります。
=スーツにもシーンを考え提案=
パーティーシーン、ビジネスシーン、リゾート地でのドレスアップスーツなど
デザイナー浅野千幸本人がシーンによってエスコートしてもらいたい理想男性を想像し提案することで、女性目線から好印象を持たれるスーツに。
浅野千幸が提案する気品あるセクシーラインスーツを具現化するには日本一の縫製工場ファイブワンファクトリーなくしては作れません。
asano chiyukiオーダースーツを是非1着オーダーしてみてはいかがでしょうか。
◇ドレスデザイナー 浅野千幸 プロフィール◇
1996年フランスに渡り98年エスモードパリ・オートクチュール科卒業
2001年日本帰国後オリジナルブランド立ち上げ、企業でのブランドコンサルティングを開始
2007年株式会社ミルビ設立
2009年ドレスブランドasano chiyuki設立
2010年2011年と中国開催のファッションアジアコンペにて日本代表に選出される
2011年NYでコレクションを発表
2012年TBS番組Asian Ace「アジアンエース」にドレスアドバイザーとして出演
放送日7月28日(土)、8月4日(土)24時から24時30分まで 2週に渡っての放送
ショールーム(製品に関するお問い合わせはこちらまで)
AC南青山ショールーム:お問合せ 03(6804)2949
asano chiyukiブランド取扱いショップ
ファイブワン銀座本店(オーダースーツ)※ご予約の方にはドレスもご試着可能です。
ファイブワン大阪店(オーダースーツ・ドレス)
◇お問合せ先(ファイブワン各店にお問合せ下さい)
http://www.fiveone-m.com/shoplist.html
・HENRY POOLE & CO(ヘンリー・プール)
・HUNTSMAN(ハンツマン)
・ANDERSON & SHEPPARD(アンダーソン・シェパード)
◇ロンドンのメイファー地区にある老舗テイラー
サビルロウの有名店をドーメルロンドン社の特別な計らいで
その全貌を視察させて頂きました!!!
スーツファクトリーの私たちに、伝統的スタイルを公開するということは、
絶対にまねできない高度な技術により自信があるからこそできること
私たちは、ひとめみてその手間暇のかけ方に驚かされました
自分たちもスーツ作りにかける手間暇は惜しむことはありません
安かろうのスーツが量産される時代に先進国であるイングランドで200年以上も有名店が生き残り、今も世界中に顧客を持ち、お客様に支持され続けている姿を見て、ファイブワン・ファクトリーが守ろうとしているスーツ作りの技術と手間暇をおしまない姿勢は、決して間違っていませんでした
2012年6月18日の午前10時
ドーメルロンドンはサビルロウの入口にあたる通り沿いに店を構え
そこで、クリス・ジェットさんがお出迎え
窓の中に見えるのがKIBOU311で南三陸に植樹した桜のイメージ
本当に感激しました
中のショールームには貴重な生地が沢山保存されており
18世紀からの洋服の歴史そのものです
今年のドーメル150周年を記念したマッターホルンブルーも拝見
◇ヘンリープールに到着
店内はヨーロッパの紳士御用達といった雰囲気
勿論聞きたいことが山ほどあり・・・質問攻めに
目の前の金色装飾をほどこしたモーニングについて
18世紀から正装として着用される洋服で
長い方はフルフォーマルでモーニングコートのようなもの
短い方はセミフォーマルでタキシードのようなものだそうです
写真の優しそうな男性職人が製作者で
金製のテープ状生地を曲線に綺麗に縫い付ける技が難しいよと
技術的なことをたっぷりと語って頂きました
その説明に私たちの通訳をしてくれたイングランド在住の友人によると
金250%の素材を使用しているとのこと(笑)
重量は30キロ以上(これも着れない)
着てみろとの誘いに値段を聞いて(ノーサンキュー)
年収より高いようですが・・・120年着れると聞いて納得
昔のものと思われてはこまりますよ・・・これが最新モデルです
そしてヘンリープールの心臓部である工房へ
ここではベテランさん2人から
「ファイブワン・ファクトリー製」のスーツについて評価を頂けることに
私が着ているのはドーメル社の計らいでお世話になることもあり
ドーメルが今年の10月に発表するセレモニアの生地
なんとビスコース・ポリのというサビルロウに着て行ってはいけない生地
タキシードの研修を目的にしている私にとって仕方のない選択
なんといわれるかと思い冷や汗ものの私に
この生地は縫製が非常に難しいのに仕上がりが丁寧で綺麗だとほめて頂き
それにパイピングにも興味津々で技術者の目線にびっくり
ファクトリーの技術に自信を深めた瞬間でした
ヘンリープールのスーツがいくらで買えるのか興味津々で聞いてみました
スリーピーススーツ 324000円から
年間1200着しか作れないので顧客の方で手がいっぱいだとか!
18世紀からの顧客リストは第一次世界大戦で一部が消滅したそうですが
ほぼすべてを大切に保管されているそうで
お客様の好みがこれを見ればすぐにわかりますと!!!
18世紀のお客様が今でも顧客として・・・子孫が通われているそうです
◇ハンツマンに到着
店内のソファには顧客と商談する姿が
ビスポークに相応しい雰囲気です
少し今っぽさというか気品を感じる店内
さすがに日本の有名百貨店でも取り扱われているだけあり
サビルロウの人気店です
世界各国の著名人が顧客に名を連ねていると
自信たっぷりの様子
上機嫌でパターン室から型紙保存室へ
そして工房に案内頂きました
ハンツマンの工房を見学できたことに感激
作りの丁寧さは折り紙つきで一着の服にかける手間暇に唖然
生地の地の目を動かないように綺麗なラインを作り出す縫製技術は
けっして人前で着て分かるものではありません
手作業の多さに私たちもうならされました
ここでも私たちの通訳をお願いした友人に大活躍頂きました
これは何を作る作業ですか?
衿を作ります・・・手ではざしをします
私たちのファクトリーでは手作業により手間暇を惜しまずに
なおかつ効率的に良い仕立てをしてお客様にご満足頂くこと
目に見えない価値を届ける理念は同じです
しかし行き過ぎた手間暇で縫製工賃が高くなりすぎることにも気を使います
サビルロウではそのようなことは無視して
見えない価値をわかるお客様だけで生き残っているようです
同じことを日本でしてみたいものです
ハンツマンのスーツの価格を聞いてみると
ジャケット 200000円から
本物のスーツであることに間違いありません
◇アンダーソンシェパードへ到着
この地域で一番の繁盛店であり
是非見たいともうしでたところクリスはOKだと交渉してみるとのことで
入口を入るとソファーでお客様がゆったりとくつろいでおられ
採寸ルームでは大柄な紳士がフィッティング中
月曜日というのに昼から大繁盛のようです!
センスの良さと気品を感じる店構え
私たちは一度入店してお客様の接客中だったこともあり遠慮して店を出たのですが・・・お店の方が出てきてお客様が是非お入り下さいとのこと
気を使われて入れてくれた英国紳士の気遣いに感謝
ワインを飲みながら優雅に洋服を仕立てる
英国らしい文化ですが日本でも少しずつ浸透してきています
ファイブワン銀座本店ではワインバーを併設した銀座さら双樹と同じフロアに
オーダーサロンを構えています
英国流のオーダーメイドスーツは今年の一押しでもあります
是非チェックしてみて下さい
そして店内を拝見したら・・・
アンダーソンシェパードの店主に一日に何着売れますかと失礼な質問・・・
1日平均10着売りますと即答
そんな大事なことを聞いてしまえる同行させて頂いた友人には感謝
◇サビルロウを手本にしたファイブワン創業者の想い
洋服を誂えるテーラーと縫製加工事業者が5軒集まり1つの会社になった事
1964年に大阪枚方の既製服団地でファイブワン工業がスタート
その理念は
「日本の洋服文化を世界レベルにすること」
サビルロウに魅せられて
ファイブワン工業を日本4大ファクトリーといわれるまでに育てた
先代社長はオーダーメイドスーツの時代が来ることを予測して
ファイブワンファクトリーをオーダーメイド中心に変えるために
サビルロウを研究しました
今回の研修で大いに成果がありました
これからも手間暇をかけることを惜しまず
ベテランから若手職人に技術を継承することにより
日本の洋服文化の発展に尽くしてまいります
ファイブワン・ファクトリー 代表 森俊彦
1部:紳士服地の品質について
講師:奥山太以志
今回は、スーツ作りの醍醐味のひとつである紳士服地を勉強できるとあって集まったファイブワン若手社員は20名。
講師と、ファクトリースタッフの問答形式での進行で、楽しく沢山のことを学ぶことが出来ました。
時間も大幅に延長して、3時間以上の研修会となりました。
◇ファイブワンファクトリー多目的ホール
研修会内容
◆紳士服地に最も多い素材であるウール
ウールは羊毛です。原産国は、オーストラリア・ニュージーランド・アメリカなどで、メリノウールという呼称で有名なメリノ種の羊が主流です。
それ以外には、サウスダウン・シロップシャー・ハンプシャーなどがあります。
そして、モヘアが獣毛です。アンゴラヤギ・カシミアやラクダのキャメルヘアなどが有名です。
◆毛織物のSuper表示と原毛の繊度(せんど、糸の太さ)について
昨今、毛織物服地の品質表示について、輸入品、国産品を問わず、「スーパー110s・・・」といった表記により、紳士服地の品質を表現することが多くなりました。
イタリア生地の多くは、スーパー110s?130sといった表現でタグに表示されています。
メリノ種羊毛の中で、平均直径が17.0?18.5マイクロメーターのスーパーファイン原料では、100番手の糸が紡績可能です。この種の高級原料を使用した毛織物を英国ドーメル社が「スーパー100」と称して発売したのが、現在のスーパー100sという言葉の由来であろうという見方が一説にあるそうです。
これらは恐らくスーパーファイン100counts(カウントの複数)を略したものであり、スーパーの後に付記される数字は、紡出可能な糸番手の限界を示しており、その織物に使用されている糸番手を意味するものではないと考えるのが妥当だといわれています。
糸の番手とは、縦糸と横糸を表す数値です。
毛糸の太さを表す単位で1kgの綿で48km紡いだら48番手の糸となり、従って数字が大きくなる程細くなります。
表示の仕方:2/74 = 1/37
(74番手双糸) (37番手単糸)
単糸・・・1本の糸
双糸・・・2本の糸を撚り合わせた糸
平織・・・縦糸と横糸が1本ごとに交差する組織。
薄地で軽い夏物でトロピカルが有名
綾織・・・縦糸または横糸の浮きが斜めに続いて斜文線をつくる。
なめらかな手触りが特徴で、冬物やオールシーズン生地に多い。
生地の目付とは、生地をシングル巾150cm×1mもしくは、1平方メートル当たりをgで表す。
1ヤードの場合は、オンスで表示することもある。
イタリア製で最もポピュラーな高級紳士服地であるカノニコ社のスーパー110s
の場合。
縦糸2/74=横糸1/56ですから、
74番手双糸と56番手単子を使用して、目付は260gであります。
コスト軽減・軽量化・生地の薄さを実現した服地です。
このような、紳士服の品質は、ミル(織元)であるゼニア・ロロピアーナ・バルベラ・デルフィノなどの最高級服地メーカーの研究開発努力により向上しており、【クールエフェクト】など近年を代表する生地も生まれています。
また、製造はしないが生地のデザインを織元に発注して在庫し、着分にカットして全世界で服地を販売するマーチャントがあり、ドーメルが有名です。
【アマデウス365】【KIBOU311】はいま注目される服地のひとつです。
◆それでは、紳士服地の品質を見る方法には、どのようなものがあるのでしょうか、20年以上紳士服地を扱っているベテランともなれば、生地の顔を見れば一目瞭然で、触れば品質をきっちりと判断することも可能ですが、数値で表す方法としては、堅牢度検査という方法が一般的です。
日光・水・洗濯・汗・アイロン(熱プレス)・摩擦での耐性を5段階で評価します。5が最も良く、1・2になると危険です。
紳士服地の品質といっても、多種多様です。
マニアックな知識ですが、染には、先染め(糸染めorトップ染め)と後染めがあります。先染めの方が色艶に深みがあり高級品と言われ、そのなかでもトップ(不純物のない均一な太さに巻き上げる)染めは糸になる前に染めることから、糸染めよりも良いとされます。
無地の生地で、先染めと後染めを比べると一目でその違いは歴然です。
先染めの生地は無地でも糸柄がでるため単調にならないのですが、後染めの生地は同色単調に見えてしまいます。
◆品質をとるのかファッションをとるのかという論点からいうと、洋服は着る人だけでなく、TPOに合わせた紳士服地を選択することも大切です。
ブライダル向けの服地といっても、多種多様です。
新郎向けタキシードには、シルクのような光沢があり、花嫁のドレスを引き立たせるようなドレッシーな服地が好印象です。
お父様向けのモーニングには、細番手のウール素材で深い艶のある服地が好まれます。
紳士服地の中で、コストパフォーマンスの高いものがどんどん入ってきており、選択肢がどんどん広くなってきております。
スーツは、既製服が主流と言われる日本でも、近年はオーダースーツの伸び率が大きく、1960年代から逆転された地位をオーダースーツが取り戻す時期がいつか来るかも知れません。
毎シーズン、ファンシー生地は流行により入れ替わり、クラシック生地は定番化して恒久的に取り扱われます。
ファンシーでは、グレンチェックやウィンドペンが増えています。
クラシックでは、ピンストライプやチョークストライプは定番化しています。
季節感としては、フォーシーズン生地がオーダースーツでは人気があります。
カノニコのスーパー110sで目付260gの生地でしたら、年中通してスーツとして着て頂くことが可能です。
夏に涼しい生地と言えば、リネン素材になりますが、リネン混の服地も沢山輸入されており、リネンでも発色が良いモノもあり夏には人気生地のひとつです。
冬には、ハリスツイードを代表とする紡毛で厚手の服地は、着る期間こそ限られますが、12月?2月の寒さには良いかもしれません。
今回は、CADの補正入力をしています長村が私の仕事について紹介をします。
私はファクトリーでCADオーダー入力をして10年になります。
仕事の内容は、各メーカーからの指図書に基づいて、パターンやサイズのベースから各お客様の補正をコンピュータ入力し、それから表生地の幅に合わせて画面上で型入れし、裁断機(CAM)までのマーカー作成をすることです。
ファイブワン・ファクトリーでは、お客様にゲージ服を試着して頂きピッタリでしたら当然何も補正はしなくてよいのですが、ほとんど方がスーツに体形がぴったり合うという方は珍しいのではないでしょうか。
たとえば肩幅で服を合わせたらウエストが細いから、脇が余るという場合は中胴補正を入れます。
体が反っている場合反身補正を入れるなど、服全体が体型に合うように個人の型紙を作成しているのです。
これからの季節暑さでスーツを着る機会が少なくなられるお客様も多いとは思いますが、大事な場面では清涼感があるスーツが1着あれば便利です。
ウールのトロピカルなら涼しく、裏地と袖裏に薄手のキュプラ素材をお選びになれば吸汗性が高くアイスタッチ効果も御座いますよ!勿論真夏用には、背裏無がお奨めです。
cloth;DRAPERS(ドラッパーズ)
私事ですが、基本型紙から、お客様のスーツへのこだわりをどこまで実現することが出来るのかが仕事の難しさであり、日々スタッフ同士で切磋琢磨しながらオーダースーツを進化させております。
若い方は体型補正よりもデザインの変更(衿巾、釦位置、ポケットの形‥)、雑誌などの服のようにアレンジしてほしいなどの要望が多く、ご年配になって来られますと、体型が変化して来られますので、体型補正箇所が多くなると思います。
何より、ファイブワン・ファクトリーには、お洒落なお客様が多いのが特徴であります。
きっと、ハットをかぶり、革製のカバンに粋な靴を履かれた紳士に違いありません。
今では指図書を見たら、その方のことが頭に浮かんでまいります。
我々ファクトリーのスタッフが、一番残念なのが仕上がったスーツを着たお客様の姿を見ることが出来ないことです。
喜んでもらっているのならたいへん幸せなんことです。
これからも、お客様のために日々頑張ります!
こんにちわ。ファイブワンの浅井です。
◆ファイブワンがめざすスーツ
ファイブワンの創業者は「すべてのお客様に最高品質のスーツを提供する」という理念を掲げ、以下のようなポイントを重視しながら、服づくりに取り組みました。
この姿勢は現在もファイブワンのスタッフ全員に継承されています。
【デザイン】・【着心地】・【一流の生地】・【コストパフォーマンス】・【品質管理】
これらが実現できたのにはいくつかの理由がありますが、もっとも大きな理由はファイブワンが日本には珍しいファクトリーブランドだということではないでしょうか。その服づくりの優れた技術と品質管理こそが私たちの誇りです。
◆ファクトリーブランドとは
ファクトリーブランドとは、高級ブランドのスーツ、ジャケット、パンツ、シャツ、ネクタイなどを受注生産している縫製工場が、自社で独自に生産するブランドのことを言います。
世界的によく知られている一流ブランドの服も、自社で縫製工場を持って生産されていることは少なく、多くの場合、優れた技術を持つ縫製工場にアウトソーシングされています。
□ZEGNA
ファイブワンは1964年に大阪・枚方に縫製工場として創業以来、有名ブランド・セレクトショップのOEM(相手先ブランドでの商品供給)を行うなど、日本では他に類を見ない職人集団としてファッションシーンを支えてきました。
そして現在は、銀座本店、大阪店、神戸元町店の3店舗を擁し、日本でただひとつのファクトリーブランドとして知られるようになりました。
□ファイブワンのアイロンワーク
◆徹底した管理基準から生まれる高品質
一流ブランドのスーツなどは、厳しい基準のもとで生産されています。ブランドのメーカーは縫製工場に品質基準、管理基準などを提示し、縫製工場もそれに厳格に応えます。
だからこそ、ユーザーに愛される個性的なデザイン、高いクオリティのスーツが完成します。
最近はマーケティングの一環としてブランドが消耗品のように使い捨てられるケースも見受けられますが、やはり歴史と伝統に裏打ちされた本物のブランドには、言葉にできない魅力があります。
□数々のパターン(型紙)
ファイブワンのオーダーメイドスーツは、約半世紀の経験を生かした高品質のファクトリーブランドとして、お客様に高い評価をいただいております。
高級ブランドのなかにあっても、ふと振り返ってもらえるような、そんな存在感のあるスーツをお届けしたいと思っています。