スエード靴の魅力を考える
こんにちは。
銀座店の米山です。
盛夏も過ぎ去り徐々に暑さは和らいでいるように感じますが、厳しい残暑になりそうです。
残暑と秋雨。
長雨の季節がやってきます。
調べたところ、関東では梅雨入りから秋雨明けまでの約4.5ヶ月の間に年間降水量のおよそ65%の雨が降るそうです。
一週間のうち4日は雨という計算になります。
いかに雨と向き合うかが気持ちよく過ごすポイントになりそうですね。
というわけで、今回のテーマは「スエード靴」です。
そもそもスエードとは?
スエードは革の裏側をサンドペーパー等で起毛させたもののこと言います。
後程触れますが、「裏側」というのがミソです。
もともとはスウェーデンの手袋に使われていた革の加工技術だそうで、当時は仔羊の革を使用することが多かったようですが、現在は様々な素材を使ったスエードがあります。
スエードにおいては、毛足が短く、細かく、柔らかいモノが高級と言われます。
当店では国産キップレザーのスエードとイギリスの名門タンナー、チャールズ・F・ステッド社のスーパーバックの2種類ご用意しています。
(上が国産、下がスーパーバックです)
この二つを触るとスエードの高級感の違いというのがわかりやすい思いますので、ご来店の際はぜひ比べてみて下さい。
少し脱線…
さきほどもちらりと触れましたが、スエードも仔牛、仔羊、馬、山羊、鹿、豚…などたくさん種類があります。
靴のブランドによってもそれぞれのこだわりが出るところですので、普段履いているスエードがなんなのか調べてみると面白いですよ。
例えばかの有名なアメリカシューメーカーでは山羊革のスエードを使っていますね。
ところで、
「スエードっぽい革」を見たことある人は多いと思います。
ここでいったん整理しましょう。
- ヌバック…革の「表面」を起毛させた革でかなり短く細かいのが特徴。主に牛革。
- ベロア…革の裏側を起毛させたもので毛足は長く、起毛具合が激しいのが特徴。主に牛革。
です。どれも似ていますよね…
閑話休題、
それでは本題に入りましょう。
雨と相性のいいスエード
このスエードの対雨論争はあらゆるウェブ記事で日夜繰り広げられていますね。
結論から言うと、「ケアをしていれば雨に強い」です。
実のところ、表革と違い吟面がないため何もしなければ水分を含みやすいのは事実ですが、
起毛させることで表面積が増えたスエードは、防水スプレー等を捕え、その効果は強くなります。
乾燥させない様栄養を与えるなど日々の手入れと相まって耐水性は維持されます。
このケアをしていれば基本的に雨の日は強い味方になってくれること間違いなしです。
併せてソールをタフスタッドにすれば靴底からの浸水を防ぎ、滑ることもなくなり安心できますね。
皆様の雨の日ライフの一助になれば幸いです。