TOPICS トピックス

ファイブワン オーダースーツ トークセッションナンバー07 ゲスト:税理士法人 坂本&パートナー 理事長 坂本孝司氏

税理士法人 坂本&パートナー
理事長 坂本孝司氏

スーツの聖地・サヴィル・ロウで修行した偉才、岸由利子が聞き出す、オーダースーツの魅力。

『ファイブワン・トークセッション』第7回のゲストは、税理士法人 坂本&パートナー 理事長・坂本孝司氏。

「たくましく勝ち残る経営には、正しい会計が不可欠」をモットーに、平成16年1月、静岡県浜松市に、同社を設立。経営情報科学博士、税理士・米国公認会計士、愛知工業大学 経営学部・大学院教授を務めるかたわら、 1万人を超える日本最大級の税理士集団「TKC全国会」において、TKC全国会静岡会 会長、TKC全国政経研究会 副会長を兼務するなど、活動は多岐に渡ります。執筆活動も精力的に行っており、「ドイツにおける中小企業金融と税理士の役割」(中央経済新聞社)、「会計で会社を強くする(中小会計要領対応版)」(TKC出版)など、著書多数。

一方、対談者の亀山純氏は、セレクトショップ「ベラージオ」代表と、ファイブワン静岡店 店長を兼務。有名セレクトショップでのバイヤー・スタイリスト経験を経たのち、2014年、気品漂うエリア・鷹匠区の一角に、自身が手掛ける初のセレクトショップをオープンし、静岡では手に入りにくいメンズインポートをジャパンメイドとミックスした独自のセレクト商品を展開中。同店に併設のファイブワン静岡店では、持ち前のコーディネート術を武器に、お客様一人ひとりの個性が引き立つ、オリジナリティ溢れるスーツスタイルを提案しています。

今回は、経営戦略のエキスパートである坂本氏に、ビジネスシーンにおける装いの重要性、オーダースーツと仕事の関係、ビジネスパーソンとして成功するために必要なことなど、さまざまなテーマで語っていただきました。

「見た目の印象はビジネスを左右する。だからこそ、オーダースーツは、亀山さんにすべてお任せしています」
質問 :  坂本樣、亀山樣、本日はお忙しい中、ありがとうございます。まず、お聞かせください。お二人は、どのようにして出会われたのですか?
坂本 孝司氏 (以下、坂本): 亀山さんとの出会いは、私がよく知る方のひと言がきっかけだったんですよ。「オーダースーツを誂える紳士向けのブティックを開業した凛々しい青年がいるんです。アドバイスも含めて、相談に乗っていただけませんか?」と。
質問 : スーツについてはいかがでしょうか?
亀山 純氏(以下、亀山) : 初めて、坂本先生にお会いしたのは、ちょうど1年前、ベラージオをオープンしたばかりで、経営面でも、自分の思うようには、中々うまくいかない現実に直面している時でした。
坂本 : 一億総活躍時代や地方創生と言われるように、地方における独立開業を増やそうというのが、今の安倍政権のひとつの狙いだったりしますが、実際に開業する人は少ないんですよね。往々にして、失敗したら怖いから、冒険できない…というケースの方が多いですし、独立したらしたで、事業を軌道に乗せるのは、これまた本当に大変なことで。

そんな中、一生懸命に頑張っている亀山さんの姿に触れ、できるだけのことは支援させていただきたいという気持ちになりました。ご本人もカッコいいのですが、着ているスーツもカッコいい。さらに、お店に行ってみたら、空間も、セレクトも、全てがカッコいい。これはぜひお願いしたいと思って、すぐさまスーツを誂えてもらったんですよね(笑)。
質問 : なるほど。ということは、亀山さんの事業支援が始まりだったのですね。
亀山 : そうですね。その先にスーツがあって、先生が気に入ってくださり、今がある…という感じです。漠然としていて恐縮なのですが、税理士の方って、自分とはかけ離れた世界にいるどこか遠い存在というイメージがありました。ところが、坂本先生は、とても話しやすく、親身になって聞いてくださる。多趣味で、ユーモアにあふれていて、親近感と頼もしさを感じるお人柄でした。初めてお会いした時から、「この方なら、今後、経営も含めて、顧問をお願いしたい」と思いました。
坂本 : 今ね、事務所のスタッフ一丸となって、サポートさせていただいているんですよ。
質問 : 今日、お召しになられているスーツ、渋くて素敵です。ネクタイとチーフのヴィヴィッドなピンクがよく映えていらっしゃいますが、スーツを誂える時、コーディネートする時のこだわりについて教えてください。
坂本 : 中小企業のための法律を作ったり、法律改正したり、あるいは税法の色んな欠陥などを直したりするために、週のうち、2日くらいは東京で官僚や政治家とお会いするのですが、とにかくお忙しい方たちですので、5分、10分という短い時間で話さなくてはならない場合が多いんですね。となると、話す内容はもちろんのこと、見た目の印象も、非常に大事な要素になってきます。

着ている服や外見だけで、人を評価するべきではないと思いますが、それは相手の方が決めること。これまでも爽やかな印象を念頭に、服装にはかなり気を配ってきました。でも、オーダースーツに関していうと、亀山さんと出会ってからは、正直、自分のこだわりとかうんぬん抜きにして、生地も色もすべて、彼にお任せしています(笑)。
亀山 : 今日、お召しになられているジャケットについては、普段、お話している時の印象や、セミナーで壇上に立たれている先生を拝見して、「きっと、このチョークストライプがお似合いになるだろうな」というイメージが湧きました。これまでに4着、ジャケットのみを合わせると、5着、誂えさせていただきましたが、坂本先生の決断力の早さには、いつも感心いたします。なにせ、5分と経たないうちに、最終形が決まってしまいますので(笑)。
坂本 : このネクタイは、3年くらい前に買ったものなんですけど、ずっと、クローゼットの中で温めていたんですよ。奮発して買ったはいいものの、似合うスーツが全然なくて。インパクトが強いから、負けちゃうんですよ、スーツの方が。
質問 : やっと活躍の場が出来て、良かったですね。

数字と共に、具体的に描いた夢は嘘をつかない。夢の数値化こそ、成功への片道切符
坂本: 私のまわりには、スーツにこだわりのある人がたくさんいます。もっと言うと、スーツにお金をかけている人ですね。彼らは、パッと見ただけで、やっぱりいいものが分かるんですよね。ファイブワンで誂えたスーツを着ていると、「高かったんでしょう?」、「これ、すごくいいね。30万くらいするの?」って。でも、私は正直に言うんです。「いいえ、10万円なんですよ」って。
質問 : 驚くほどのコストパフォーマンスですよね。でも、上質に見えるかどうかは、着る方にも依るところが大きいのでは?
亀山 : 私も同感です。今も、講演など、各所で着ていただき、先生自ら、身で持って、ファイブワンのスーツの良さを広めてくださっていて、ありがたいかぎりです。
坂本: 今日のスーツは、私にとって、戦闘服みたいな感じかな。「いつも頑張ってるね」、「どこからそんなパワーが湧いてくるの?」なんて、まわりの人に言われることがありますが、心が萎えて、ボロボロになることもけっこうあるんですね(笑)。そんな時、このスーツを着ると、エネルギーをもらえるんです。これは、非常にありがたいことです。

先ほども触れましたが、特に、政治家や官僚に会う時は、数分で意見をはっきり伝えなくちゃいけないし、そこで理解していただく必要がありますので、気持ちがダウンしていなくても、願わくは、エネルギーはできるだけたくさん欲しいですね(笑)。少し前に、作っていただいた冬用のスーツは、また少し違った趣があって、カジュアルなシーンでも着れるタイプかな。状況やその日の気分に応じて、スーツ選びを楽しませていただいています。
亀山: 誂えるお手伝いをさせていただく立場からしても、そういった気持ちでスーツを着てくださることは、とても 嬉しいことですし、「このスーツを着ていったら、商談が上手くいった、ビジネスが成功した」というお声を聞くと、喜びは倍増します。
質問 : “ファイブワンァイブワンのスーツ=パワースーツ&ラッキーアイテム”ですね。ところで、坂本先生。経営戦略の専門家として、ビジネスパーソンが今すぐ実践できるティップスがあれば、教えていただけますか?
坂本 : サラリーマンでも、事業を興す場合でも同じだと思うのですが、やっぱり目標を持つことが大事ですよね。 それも、漠然とではなく、3年後、5年後にこうなりたい、売上高は1億円で、月々にしたら利益はこれくらい…というように、数字に落とし込んで、具体化していく必要があると思います。

“絵に描いた餅”ってあるでしょう?あれは、中途半端だから、絵に描いた餅なんですよね。同じ白い色にも、無数のグラデーションがあります。その細かな違いを緻密に描き込むくらい具体化した夢を描けば、おのずとそっちに引っ張られていくようになります。これをして、初めて一歩が踏み出せますし、夢は実現可能になっていくものですから。
質問 : 夢を数値化することが、成功のカギということですね。
坂本 : そうそう、そうです。ところが、人間誰しも、行動を起こしていくと、必ず障害や困難にぶち当たります。そこでひとりで考えていると、だんだん「無理だろうな…」、「もうダメかも…」と意気消沈して、引き返したくもなりますが、そういう時にこそ、寄り添って、励まし、サポートすることも、会計士の大事な役目だと、私は思っていまして。
亀山 : 開業してから、このように親身に接していただくことは、初めての経験で…。非常に心強いと感じました。
質問 : 開業して間もないうちに、先生のような方にお会いできるということ自体、すごくラッキーですよね。
坂本 : でも、そこに至るまでに、世話を焼いてくれた人、紹介してくれた人がいたことを忘れちゃいけないですよね。そのご縁は、大切にした方がいいと思います。「帳簿くらい、自分でつけられるし、人のサポートなんて必要ないや」という経営者も数多くいますが、先ほども申し上げたように、コーチ役といいますか、励まして、寄り添っていく人を求める経営者をいっぱい日本に作りたいと思っています。そうすれば、おのずと、夢が実現できる経営者が増えると、私は確信していますから。そんな未来を目指して、今、私たちは業界運動もしているんですよ。

「美しく装うことは、仕事も、自分も変える」という気づきを与え、新たな需要を掘り起こす、スーツ革命。
質問 : ビジネスシーンにおける見た目の印象の大切さについて、先生が冒頭で触れられたように、今、経営者の間で、良いスーツを着ることがステータスとして再認識されていますが、地方都市でもそのような流れがあるのでしょうか?
坂本: 東京に比べると、おそらく相対的にそういった意識は低いかもしれませんね。「スーツは、着れれば、それでいいんじゃないの」、「洋服に、そこまで気を遣わなくてもいいでしょ」という考え方の人が今は多いかもしれないけれど、ベラージオさんに関して言えば、「いやいや、美しく装えば、気持ちも違うし、仕事にも影響してくるものですよ」と、人々に気づきを与えていくことで、静岡市内はもちろん、静岡県内で、新たな需要を掘り起こすことができると思うんですよ、私は。

うちの会計事務所も、35年間で、全国各地に約550件のお客様を持てるまでに成長できたのは、「会計で会社を強くする」という言葉を作って、広めてきたからなんですね。帳簿はパソコンを使えば、誰でも記入できますし、「自分でやる」という事業経営者も多いので、正直、目の前の会計需要ってそんなにないんです。でも、私たちは、先の言葉でもって、「いや、そうじゃないですよ。数字をしっかり把握して経営しないと、より発展できませんよ」と、人々の意識を根底から覆すことに、力を注いできました。今では、多くの方の共感を得て、国じゅうに浸透するまでになりました。
質問 : いち女性の視点から言わせていただきますと、身体にぴったり合ったスーツをカッコよく着こなしている方は、やっぱり文句なしに素敵だなと思います。自分のいい部分を魅力的に引き出してくれるアイテムですし、装いに気を配ることって、それだけで得なことですよね、きっと。
亀山 : 特に、初対面は、ほんの数秒で第一印象が決まる大事な場面なので、ジャケットのサイズ感や色ひとつとっても、相手に与える印象はずいぶん違ってくると思います。
質問 : 今年オープン2年目を迎えたベラージオ。今後の展望や抱負をお聞かせいただけますか?
亀山 : :今も昔も、「お客様のお役に立てる洋服を提案したい」というのが変わらぬ私のモットーです。セレクトにしろ、オーダースーツにしろ、これからも、身に付けて心地良く、人々が必要とする洋服を最重要視していきたいと思います。ゆくゆくは、全国、そして世界に通用するような洋服屋をめざしていきたいですね。
質問 : さいごに、亀山さま。何か先生にご質問したいことがございましたら、ぜひお願いします。
亀山 : 聞きたいことはたくさんあるのですが…。長年、事業を経営する中、山あり谷ありを経験されてきたかと存じますが、大変だった時、どうやって乗り越えられてきたのでしょうか?
坂本 : 幸いなことにね、さまざまな会社の顧問をさせていただくでしょ?社長さんやご家族の苦労・葛藤をとなりで見ながら、伴走していく仕事なので、おそらく、世間の人様の何倍も、そういう状況には遭遇しているんですよね。もし、その経験がなければ、事あるごとに、「どうして、自分だけこんな目に遭わなくちゃいけないんだ!」と頭を抱えていたかもしれないけれど、「こういうこと、みんな、あるよね」って思えて、気が楽になるんです。それに、ほとんどの場合、冷静に眺めてみると、天地がひっくり返るような問題ではないので、逆に、お客様がそういう状況にある時は、「私もそんなことがありましたよ。大丈夫ですよ」と言うと、安心されますね。
質問 : その点、亀山さまは、お兄さまという素晴らしいパートナーがいらっしゃるので、心強いのでは?
亀山 : そうですね。そして、またご相談できる坂本先生もいらっしゃるので、今後共、よろしくお願い致します。
坂本 : あと、いい仲間がいるといいですね。ちょっとわるい仲間になっちゃうと、互いに低め合っちゃうから(笑)。よく見極めて、選ぶことが大切だと思います。その点、亀山さんは仲間にも恵まれていますよね。
亀山 : 坂本先生の計らいで、これから静岡で独立開業しようとしている異業種の方たちの勉強会に参加させていただいているんです。私は実体験を話すだけなのですが…
坂本 : もうね、同世代の彼らからすると、亀山さんは、ヒーローなんですよ。こんな苦労があった、こんな失敗をした…華々しいことだけでなく、リアルな体験をみんなで共有することで学びになるし、そういうことをシェアできる仲間って、すごく貴重な存在。これからの亀山さんの活躍を楽しみにしています。
質問 : 熱いトークをどうもありがとうございました。ファイブワン・トーク・セッション 第7回のゲストは、税理士法人 坂本&パートナー 理事長 坂本孝司氏、対談者は、セレクトショップ・ベラージオ代表 兼 ファイブワン静岡店 店長 亀山純氏でした。坂本様、亀山様、本日は、貴重な時間をありがとうございました。
インタビュー/文 岸由利子