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スーツのお手入れ(基本編)

日々スーツを着用していると、型崩れや劣化(色落ちやテカテカ等)が気になります。

着用しなければ一生長持ちするでしょうが、スーツは着てなんぼ。着用を重ね、手入れが行き届いたスーツこそ、味が出るというものです。

余談ですが、、、小学生の時、新しい上履き(教室で履くシューズ)を買ってもらっても、新品状態がなぜかイヤで、一度泥だらけにし、洗ってから使用した経験を思い出しました。 子供ながらに、「味」を出したかったんでしょう笑



毎日の簡単なお手入れでも、購入時に近い状態を長期間キープできますので、ご紹介します。

まず、基本的に、スーツのポケットに物は入れない方がよいです。型崩れする原因になりますし、なんといってもシルエットが不細工に見えます。
とはいえ、スーツを実用していれば、必要に迫られる場合もあるでしょう。

帰宅したら真っ先にポケット内の物を取り出しましょう!

その後、ハンガー(スーツの肩にあう傾斜のついた厚みあるハンガーがベスト)に掛けます。
パンツはボトムハンガーに、裾(すそ)を挟んでつるすことで、重みによってしわがのびます。


次に、ケアの基本『ブラッシング』です。

ブラッシングには、ほこり取りと生地の風合いを蘇らせるという大きな意味があります。

ほこりをなめてはいけません。生地、特にWOOL(ウール)は自然のモノ(動物性たんぱく質)であり、生きています。

ほこり(土埃)はアルカリ性なので、色を落とし、劣化させてしまうのです。


ブラッシングのポイントは、4か所。

■背中
フケ・ホコリなどの汚れが付着しやすいので、衿(えり)、肩を重点的に上から下に(↓)ブラッシングします。

■腕
腕まわりの溝は汚れがたまりやすいので、細かくブラッシングし、汚れを取り除きます。

■パンツ
膝(ひざ)から、下を重点的に行います。
裾(すそ)をダブルにしていると、その中にほこりがたまりやすいので、入念にケアしてください。

■ポケット
いつのまにか汚れがたまってしまうのがポケット部分です。
袋布を表に出してブラッシングを行います。

毎日5分ブラッシングするだけで、スーツの状態は格段に良くなります。


次に、アイロンです。アイロンをあてることで、微生物が死に、蒸気によって生地元来の状態に戻ります。
また、スーツのいやな臭いは、蒸気をあてるととれます。

時間がない場合は、アイロンのスチームをあてたり、入浴後に15分間浴室に吊るしておくだけでも良いです。
こうしておくことで、皺(しわ)もきれいにのびるので、オススメです。


ただし気をつけなければいけないのは、高級生地(お手入れが少し手間取るが、適切に取り扱うことにより10年以上お使い頂ける生地)です。
本来、生地の混率によってアイロンの温度も変えなければいけません。高温は微生物が死に、皺(しわ)もよく伸びるかもしれませんが、生地も死んでしまいます(テカりもそうですよね・・)。

そして、シーズンオフには、クリーニングに必ず出し、FIVEONEにお持ちください。

FIVEONEには、プレス専属の職人がおります。 スーツのパーツ毎にプレス機があります。

購入した当初の状態に戻すことが可能です。ただ、クリーニングとプレスは全く違いますのでご注意ください。

クリーニングの本質は、汚れ取り(カビや微生物の除去)です。皺(しわ)がのびて帰ってくるのは、あくまでも「平面的に」であり、それは副産物です。
それに対して、プレスの本質は、リバイブ(当初の状態に生き返らせる)です。生地を蘇らせ、立体的なシルエットに戻すのが役目です。

特に、繊細で上質なウール地のスーツは、日常のお手入れと、シーズンオフ時のクリーニングとプレスが大切になります。

お手入れ次第で、永年にわたり、御愛用が可能となります。

ただし、過剰なお手入れ意識は、精神衛生上良くないですし、本末転倒だと思いますので、ほどほどに!
最低限のお手入れ意識で十分だと思います。

店頭でも御相談承りますので、お気軽におたずねくださいませ。