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タキシードに合わせる靴は?

 

こんにちは。

銀座店の米山です。

 

ここ最近の日中の外気の暖かさと、日差しの優しさには毎日驚かされ、いよいよ冬も終わりに近づいているのだなということを五感をもって実感しています。

 

という未だかつてない美しい書き出しで綴っていく今回のブログのテーマはこちら、

『ぶっちゃけ今の時代タキシードに合わせる靴って何が正解なの』

です。

現在ファイブワンではタキシードフェアを開催中ですので、こちらでもタキシードと靴についてつらつらと書いていきます。
少々マニアックです。

文字量多めでお送りする代わりに、いざというとき役立つTIPS的な記事ですのでリーディングリストやブックマークにしまって頂くのも良いかと思います。

ぜひお時間ある時にでも一読いただければと。

 

そもそもタキシードとは

さぁ、「どんどん行くぜ!」という雰囲気はありましたが、まず大切なのは情報整理です。落ち着いてください。
タキシード廻りの物を知るためにはまずはタキシードのことを知らねばなりません。


礼装としてのタキシード

単刀直入に言うと、タキシードとは夜の正礼装です。
数年前までは準礼装でしたが、昨今の状況を鑑み見事格上げ。燕尾服と並ぶ格式を手に入れました。

ここで重要なのが「夜の礼装」という部分。
つまり昼間はNGなんですね。正確には夕方以降(イブニング以降)の礼装です。
日中の場合はモーニングが正礼装、準礼装の場合はディレクターズスーツやブラックスーツとなります。

フォーマルウェアでは男女問わず時間帯が大きなカギとなりますので「ほ~ん」くらいで構いませんので覚えておきましょう。

もともとは『スモーキングジャケット』と呼ばれ、リラックスできる格好として大流行したというのだから驚きです。
現代人にとってタキシードなんて身が引き締まるどころのお話しではありません。
もし令和のこの時代にタキシードを着て「やっと着替えられたよ…楽でいいよな」という人をみかけたら十中八九変人なので近づかないのが賢明です。

 

タキシードに合わせる”理想”の靴

本来、タキシードに合わせる靴は

①エナメルの内羽根シューズ
当店でもオーダー頂けるこちらは、外履きとしても使えますのでタキシードに合わされることが多い靴です。

②オペラパンプス
読んで字のごとくオペラなどの観劇の際に適した屋内用の靴です。そのためソールが薄く作られています。

です。
※あくまで「本来であれば」です。

どちらもアッパーはエナメルのものですがこれは「靴墨で女性のドレスや建物を汚さないよう」という配慮だそう。ナイスジェントル。

それではこの2つはどう使い分けるか。

答えは簡単「時間」です。
EveningとDinner(Night)の境目である17時~18時頃を基準に、それより前でかつタキシードを着用の際はエナメルシューズ、それ以降はオペラパンプスとなります。
しかしながら格式はオペラパンプスの方が高い為、オペラパンプスは全時間帯OKですよという例外もあります。

とはいったものの、これはあくまで基本的なルール。
フォーマルとはつまるところ「TPOが憲法」です。
そう考えるとカジュアルウェディングでオペラパンプスは少々過度な気がしませんか?
なのでカジュアルウェディングの場合はエナメルシューズでもまったくもって問題ありません。

それどころか、一般的なフォーマルシューズで十分な風潮は多分にあります。

 

フォーマルシーンで避けたい靴

前項で「フォーマルとはつまるところTPOが憲法です」と言いました。
タキシードやブラックスーツを着ている際、当然それらは礼装として着用しているわけです。
そして靴にもフォーマルとインフォーマルがある以上、それらに合う合わないが出てきます。

どんなに華麗にタキシードを着こなしていても、カジュアルな靴を履いていたら「お前さん、足元がお留守だぜ」となるわけですね。
上だけジャケット、ネクタイで下はパジャマのテレワークスタイルで普通に出社してるくらいの残念具合です。

そうはならないために、フォーマルで避けるべき靴を知っておきましょう。


「内羽根と外羽根」

の話しは以前のブログでお話ししましたので割愛します。

補足としてそのルーツの違いを再確認しましょう。

内羽根式はアルバートさんという女王の旦那さんがお城で思いつきました。そのお城の名前を取って「バルモラル」とも言います。
対して外羽根式を考案したのは軍人です。ワーテルローの戦いという戦争から急速に広まり、競馬のゲートに似ていることから「ダービー」とも言われています。

別称の由来があまりにも違います。
それで言ったら外羽根は「ワーテルロー」やろ…と思いながら余生を生きていきましょう。

 

フォーマルでのスタメン

もちろんこれはストレートチップとプレーントゥが2トップです。
マンUのヨーク×コール並みのトップ具合です。

まずは内羽根ストレートチップはかならず持っておきましょう。
紐靴の中では最も格式の高いデザインですので基本的にどこにでも履いて行くことができます。
次いでフォーマルなのが内羽根プレーントゥですが、こちらでも十分対応はできます。

 

これは避けよう

私が好きな靴にウィングチップがあります。
ウィングチップやセミブローグなどの「ブローギング(穴飾り)」のあるものはカントリー系の靴ですので、フォーマルシーンではおすすめしません。

 

そしてもう一つUチップと呼ばれる靴がありますがこちらはスポーティーな印象なため避けた方がいいでしょう。

 

紐靴ではないものですとローファーもNG。

オペラパンプスと何が違うんだと思う方もいると思いますがローファー(Loafer)は「怠け者」という意味があります。つまり「紐とか使わないでラクチンでいいよね」という靴なので、フォーマル向きではないのです。

これらはフォーマルに合わせると違和感のもととなります。
フォーマルな装いに合わせて履くための靴ではないからです。

 

「新郎」の場合はどうか

これまではあくまで「一般的な」「基本的な」タキシードについてでした。

しかし結婚式においてタキシードの位置づけは「衣装」という側面もありますよね。
なのでタキシードだからといって黒とは限らないのが現代の新郎事情です。

ファンシータキシードというものがあることからも分かるように、白やネイビーやグレーのタキシードを着ることも多いでしょう。
そういった場合でも靴は黒でないといけないのでしょうか。

 


基本は黒がいい

まず検討すべきは黒です。
黒のタキシード、これは間違いなく黒靴が理想です。
ネイビーの場合でも黒で問題ないでしょう。

ところが白タキシードの場合は白がおすすめ。
グレーの場合も明るさによりますが白がいい場合もありますね。

結論は

「黒靴を基本に考え、タキシードの色次第では白靴でも可」

で問題はありません。

 

最後に

知らないことも多かったのではないでしょうか。
意外と知らないフォーマルのアレコレ、少しでもお役に立てれば幸いです。

タキシードと言うと身構えてしまいがちですが、ファッションであることは間違いありません。
なので「タキシードだからエナメルじゃなきゃいけない」なんて難しく考える必要もないのではないかと思うわけです。
着こなしやコーディネートにより幅広いところから選び合わせてくださいね。

いつかの日の為に「なるほどこういう基礎的なことがあるんだな」くらいの理解にしておいて、頭の片隅とブラウザのブックマークに入れておいていただけますと大変うれしく思います。
きっとお役に立てることでしょう。

また、IL PULEDROではエナメルシューズもオーダー頂けますので、もしご興味やご入用がございましたらお気軽にご相談くださいませ。