チャールズFステッド社の新色スエード
こんにちは。
すっかり秋になり、日本だと束の間の良い気候ですね。
そんな中、スエードで有名なチャールズFステッド社のスーパーバックの新色を追加いたしました。
カラーはこちらの2色。
お値段は変わらず¥65,000+tax~です。
少し前にスエードについてのブログを書きましたが、ご覧頂けましたでしょうか。
その際にはあまり触れていなかった同社のスエードですが、今回はここを少し掘り下げていきます。
チャールズFステッド社
正確にはCharlesF Stead & Co.LTD,.
創業は1904年まで遡ります。
1904年というと日露戦争があった年です。英国も日本との同盟国ということで関わっていますね。
当時は靴用ではなく、製本用のシープ、セームの皮革生産から始まったとされています。
発電機の普及により鞣しの効率や精度が上がり、会社は大きくなっていきました。
実は社名にもなっているCharlesF Stead氏はほとんど創成期にしか携わっておらず、事故で亡くなったのち次男が22歳という若さで会社を引き継ぐこととなります。
その後、ライダースジャケットの一大ブームで同社の革は高く評価され、世界中に知られることになるのです。
ここまではスエードはあまり出てきません。
きっかけとなったのは第二次世界大戦です。
ことファッションとなるとあらゆるものが第二次世界大戦をきっかけに転機を迎えますが、第二次世界大戦を乗り越えたメーカーやブランドが今も残っているからそう見えるだけなのでしょうか…?
廃業した会社も数えきれないほどあるはずです。
さて、戦争といえば物資統制です。もちろん皮革も例外ではありませんでした。
戦時下になると同社は国の命令により、高地で戦闘するRAF(Royal Air Fore)に衣服、靴、手袋の供給を開始。
伝統的な革の生産から、現代のスエード生産へ軸を切り替えていきました。
これをきっかけに高品質なスエード生産技術が確立され、現代でもその名誉は受け継がれているのです。
チャールズFステッド社のスエード
「最高の原材料を探し、最高の染料を使用し、全工程で一切の妥協をしない」
これが深みのある色とタイトできめの細かい起毛感を携えた上質なスエードを作り上げています。
また、工芸品的ともいわれる上質なスエードを作るため、伝統を重んじ時間や手間を惜しまずに、かつ現代の技術と融合することによりこのスエードは作られています。
この究極の温故知新はチャールズFステッド社の根幹にあるものなのです。
スーパーバック
写真ではなかなか伝わらないスエードの質感…
あえて言葉にするならば、
「しなやかでいて重厚」
とでも言いましょうか。
スーパーバックはその特徴でもあるしっかりとした質感がありますが、
吟面と呼ばれる革の表の部分が残されています。
(スエードは革の裏を起毛させた素材です)
通常だとこの吟面は取り除くことが多いのですが、同社のスーパーバックは残すことで、
強く、経年によってくたりの出にくい革に仕上がっています。
ビジネスシューズとしてのスエードでこれほどその用途に適したスエードはないと言い切れます。
是非新年を新たな気持ちで迎えるためにもご検討ください。