クラシック回帰とは言いつつも・・・
こんにちは
雑誌等のメディアではここ数年、
「クラシック回帰」を謳い、少し前までの
超タイトなスーツから流行が変わったことを
盛んに発信しているようです。
これが本当に「これからはクラシックな服の楽しみ方をしていきましょう」
ということであれば大賛成なのですが、
単に流行の一つとして軽々にクラシックという言葉を
使っているのだとしたらいただけません。
「そうか、流行りが変わったからまた違う格好をしよう」
というのも刺激的で楽しいですし悪いことではありませんが、
流行りを追いかけ続けるのはお金もかかりますし
流行のサイクルの中でいつか飽きがきてしまいます。
そもそも流行に合わせて装いを変えていくスタンス自体は
「モード」です。
モードのスタンスでクラシック風な格好をしても、
それはクラシックとは違うと私は思います。
そもそも「クラシック」とは何なのでしょうか。
「少し昔っぽい感じ」というような意味合いで
使われていることが多いようですが、
それでは昔とはいつ頃を指すのでしょうか。
1930年代には裾巾が50㎝を超えるような極太パンツが
流行ったこともありますし、
1960年代にはかなりタイトなスーツが流行ったようです。
どちらも昔のスーツですが、クラシックなスーツではありません。
クラシックという言葉にはいくつも定義がありますが、
服飾評論家の遠山周平氏は以下のようにとらえています。
「クラシックとは古典でなく普遍である」
「クラシックとは『生命力のあるもの』である」
普遍とは広く行き渡ることで不変ではありません。
時代の流れとともに少しずつ進化していくものです。
そして今残っている「クラシック」なスーツは、
長い歴史の中でたくさん生まれては消えた数々の流行や価値観の中でも
生き残った、王道といえるデザインでありシルエットなのです。
これからも流行の変化で微妙に細かいデティールが変わっても
大きくぶれることはありません。
そういう普遍的な服を自分の形で着こなす、
これがクラシックなお洒落の楽しみ方だと私も思います。
自分の軸からずれず、流行り廃りに左右されない服は
使い捨てず何年も一緒に年をを重ねていけます。
そして長く自分の服と付き合い、自分のスタイルを理解し、
自分にマッチした服を着ている、そういうクラシックを解する人は、
年齢や体格に関係なく独特の大人の色気が出て
本当にカッコいいと思うのです。
情報にいちいち振り回され、踊らされてしまう人を、
私のスーツの師匠の一人は少し皮肉な言い方で
「メディアダンサー」と呼んでいました。
どうぞ皆様、形だけクラシック風を装って、
また数年後にはクローゼットを総替えしなきゃいけないような
メディアダンサーになることなく、
自分の中の軸をしっかり押さえた服を着て
自分のスタイルでお洋服を楽しんで頂ければと思います。
毎度の事ながら前置きが長くなってしまいましたが、
今日は「フレスコ」生地のご案内です。
偉そうにメディアの批判めいたことを書いておきながら
おもいきりトレンドの生地の紹介をするのかと突っ込まれそうですが、
フレスコ自体はトレンドの為に生まれた生地でなく、
昔からある生地なのでご勘弁ください…。
フレスコとは強撚の平織り生地で気孔を多く持った織物です。
「フレスコ」とはロンドン、ガニア商会の商標で、同様の生地で
ポーラーという生地がありますが、こちらはエリソン商会の商標です。
現在はほぼこの二つの呼び方ですが、エアリアル、ヴァンチドーラ、
クールテックス、テレクストラなどいろんな呼び方がございます。
多孔性=空気をよく通す、強撚糸=シワに強いということで、
昔から春夏用の生地として有名です。
しかし300gから重たいものだと400g以上もあり、
実際着てみるとモノによっては重たすぎて
日本で着るには少し暑いかなというのが個人的なイメージでした。
しかし、マーティンソン(Martin & Sons)社の
ライト・フレスコシリーズは、280gとフレスコの割に薄くて軽いです。
ただ軽いのがいいなら他の生地という選択肢もありますが、このシリーズは
あくまで軽くし過ぎずフレスコのもつ立体感を保っています。
その為夏用として十分着られるだけでなく、
腰コシがあって仕立て映えのする、マットで渋いスーツに仕上がります。
この辺りのバランスのとり方が流石Martin & Sonsです。
これまで盛夏用でフレスコを作って、
思ったより暑かったという方でも
きっとこのシリーズならご満足頂けると思います。
ちなみにこれでも暑い!という方には
さらに軽い「ライトウエイトフレスコ」というシリーズもございます。
こちらはいわゆる「フレスコらしさ」は少しだけ弱くなりますが、
シワに強く通気性がよいというフレスコ本来の機能を考えれば
こちらのほうがいいという方もおられます。
どっちも捨てがたい、格好いい生地ですよ。
最後はMartin &Sonsのものではありませんが、
フレスコのスーツの店主、中吉です。
マットな生地感でやらしくないので、多少派手な柄でも
十分ビジネスユースでお召し頂けるとおもいます。
興味を持っていただいた方は是非一度、
店頭にて生地感を比較頂ければと思います。
ファイブワン大阪本店 中村
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